Bass(その2)
(一番下が最近記事です)


CHRISTIAN McBRIDE BIG BAND / That Good Feeling (Mack Avenue/2011)

Christian McBride(b) Nicholas Payton(tp) Frank Greene(tp) Freddie Hendrix(tp) Nabate Isles(tp) Steve Wilson(as, fl) Todd Bashore(as, fl) Ron Blake(ts, ss, fl) Todd Williams(ts, fl) Garl Maraghi(bs, b-cl) Loren Schoenberg(ts) Steve Davis(tb) Michael Dease(tb) James Burton(tb) Douglas Rurviance(tb) Xavier Davis(p) Ulysses Owens Jr.(ds) Melissa Walker(vo) 

この3曲目の出だしはいいなあ。こういうパターンは好きなのだ。ラストはちょっと盛り上がり過ぎだけど、それでもこの感触は結構好きだ。5曲目の出だしも同じ感じ。で、なんかに似てるなあと考えてみたらウェザーリポートだった。ウェザーリポートはそんなに好きってわけでもないのに、不思議だ。このアルバム、全体的に派手目だが細かいアレンジが結構かっこいい。マクブライドのベースソロも多すぎず、とてもいい感じ。

HANS GLAWISCHNIG / Jahira (SUNNYSIDE / 2012)

Hans Glawischnig (b) Samir Zarif (ts, ss) Eric Doob (ds)

ウッドベースでもなくエレベでもなく、アコースティック・ベースを弾いてます。なのでやたらと軽やか。重さが無い分だけフットワークが軽いといった感じか。ドラムがそれに合わせてなのかかなり控え目で、サックスも同様に控え目。全体的に地味な印象もあるけど、このベースに照準を合わせて聴くとかなりカッコイイ。Samir Zarif のサックスはこのアルバムで初めて聴いたけど、シェップ的な音の濁り方がとてもいい味出してます。

Charles Mingus / Mingus at Antibes (Atlantic/1960)

Charles Mingus(b, p) Eric Dolphy(as, b-cl) Booker Ervin(ts) Ted Curson(tp) Dannie Richmond(ds) Bud Powell(p)

60年前後のミンガスはとにかく作品数が多いが、どれもとんでもないレベルで凄い。このライブアルバムもミンガスのカッコイイ要素がすべて詰まったような作品。4曲目だけバド・パウエルが参加しているけど、この曲だけミンガスの曲ではないせいかミンガス臭が薄く、いきなりバド・パウエルの世界になってて、そこがスリリングでもあります。他の曲ではブルース・スケール中心だったホーンもここではバップ全開(ドルフィーは意外にワンパターンですが)で、曇っていた天気がいきなり晴れ出したような、そんな感じになってます。ドルフィーの音を伺いながら注意深く音を置くパウエルにも注目。また、ここでのドルフィーとブッカー・アーヴィンの長く続くチェイスも最高。バド・パウエルとエリック・ドルフィーの絡みは結構珍しいのでかなり貴重な音源。

Miroslav Vitous / IInfinite Search(Embryo/1969)

Miroslav Vitous (b) Herbie Hancock (elp) Jack DeJohnette (ds) Joe Henderson (ts) John McLaughlin (g)

ミロスラフ・ヴィトウスのファースト。とにかくメンバーが凄い。ヴィトウスのうねるベースも凄い。このアルバムは25年くらい前に滅茶苦茶ハマりまくって、とにかく聴きまくったものなのだが、ひさしぶりに聴いたらやっぱり凄かった。この時期のジョン・マクラフリンの切れ味はちょっと他に類が無いほど物凄く、所々でジャーンと投げかけるコードだけで音空間に亀裂を入れる。ハービーのエレピも「マイルス・イン・ザ・スカイ」での好演そのままに、あやしい色づけをしていく。ディジョネットの拡散するドラムもこれまた凄く、当時のマイルス・グループの勢いをそのまま持って来る。で、ヴィトウスのベースはウェザーリポート時代より遥かによく歌ってるように思えるのだが、やはりこのメンバーだからなのだろうか。あ、ジョー・ヘンの真っ黒なサックスもやたらとカッコイイです。この時期のジョー・ヘンは全部好き。

Duke Ellington, Ray Brown / This One's For Blanton ! (1972/pablo)

Duke Ellington(p) Ray Brown(b)
デューク・エリントンとレイ・ブラウンのデュオ。これはもうレイ・ブラウンのベースが凄い。エリントンのタテに刻む例のピアノに対し、ベースがいろんな切り口で縦横無尽にスウィングする。僕は基本的にドラムが無いと聴いてて落ち着かないのだが、これだけベースが凄かったらドラムもいらない。70年代Pabloの名盤のひとつ。

Dave Holland / Another Land (EDITION/2012)

Dave Holland /(b) Kevin Eubanks(g) Obed Calvaire(ds)
デイヴ・ホランドの新譜はギタートリオという編成。ホランドでギターのトリオといえばGateway(ジョン・アバークロンビー、ジャック・ディジョネットとのトリオ)。本作もまたGateway的なものもあるけど、元デイヴ・ホランド・グループのケヴィン・ユーバンクスがギターなので過去のホランドのECM盤(スティーヴ・コールマンがいた頃)なんかにも近いものもあったりする。要はホランドのアクが強すぎるので誰がギターだろうがいつものホランド作品になるのだ。全般的にケヴィン・ユーバンクスは少し柔らかくなり、スケールも大きくなったように感じる。自由にセッションをしているようなラフさもある。


(文:信田照幸)


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