BLUES
ここでは僕の好きなブルースディスクを紹介していきます。


<戦前ブルース>

LONNIE JOHNSON / Steppin' On The Blues

エディ・ラングとともにジャズギターの始祖とも言われているのがこのロニー・ジョンソン。ルイ・アームストロング・ホット・ファイヴやデューク・エリントン・オーケストラにも在籍していたかなり本格的なギタリスト。しかし、一般的にはブルースマンとして紹介されることが多いです。かなり長く活動していたのでアルバムの数もたくさんあるのですが、このアルバムは1920年代~30年代前半までの最初期のもので、ロニー・ジョンソンのキャリアの中でも最高のものだと思います。中でも1925年録音の「ミスター・ジョンスンのブルース」はギターといいヴォーカルといい最高。エディ・ラングとの驚異のギター・デュエットもいくつか入っています。


JIMMY YANCY / Vol.2(1940-1943)

1920年前後のシカゴ南部の黒人地区のハウス・レント・パーティーで皆がくたびれて何も言わなくなった朝方、けだるい感じのブルースを弾いていた、という逸話を持つこのジミー・ヤンシー。その頃にはそのピアノスタイルには名前が無かったそうですが、今の言い方でいうとこのスタイルはブギ・ウギ・スタイルです。しかし、ヤンシーの場合のブギーはどこかけだるい感じがします。スロー系の曲なんて疲れてる時に聴くとなんかハマります。ジャズ側からの評価も高いアーチストです。


LEROY CARR / Blues Before Sunrise(1932ー34)

戦前のシティ・ブルースを代表するリロイ・カーはやはりこのアルバム。ブルーム調でありながらもスローに展開される曲の数々はまさにブルースの原型。スクラッパー・ブラックウェルがまるでロニー・ジョンスンのようにバシっときまってたりして、本当にカッコイイ。個人的に「ミッドナイト・アワー・ブルース」が凄く気に入っております。


Please Warm My Weiner/V.A.

ホウカム調のものばかりを集めた戦前ブルースのコンピ盤。ホウカムボーイズとパパ・チャーリー・ジャクソンが聴きもの。いや、全曲いいよ!

BESSIE SMITH / The Complete Recordings Vol.1

ベッシー・スミスの安定したブルースはたまに無性に聴きたくなります。

SKIP JAMES / SKIP JAMES Complete 1931 Recordings In Chronological Order

ギター弾き語りが13曲にピアノ弾き語りが5曲。スキップ・ジェームスのギターとピアノはどちらも極めて個性的で、クセになります。

BIG BILL BROONZY / Big Bill's Blues

なにかと明るいと言われるビック・ビルですが、やっぱ明るい。

BIG BILL BROONZY / Good Time Blues

こっちのほうが明るいですね、全体的に。こちらの方が好きです。このような軽やかで洗練されたブルースはクセになります。

SONNY BOY WILLIAMSON / Sugar MAMA

サニーボーイ1って影がうすいけど、せこいハープの音といい、ビッグ・ジョー・ウィリアムスのバックといい、かなり味わい深い。

サン・ハウス&チャーリー・パットン/ 伝説のデルタ・ブルース・セッション1930

この雑音だらけの録音の凄まじさはブルース好きじゃなければ分からないだろう。ロバジョンの音源とともに、何度でも聴ける。

ROOSEVELT SYKES / 1929-1941

最初期のルーズベルト・サイクスの音源。味わい深い。

ROOSEVELT SYKES /Blues Encore~Honny Doripper

このアルバムは曲の年代がまちまちだけど、この人のピアノはノリがいいですねー。

WALTER DAVIS / M&O Blues

この人はスローが良いのだけど、メディアム~アップが多いような気もするこのアルバム。

SON HOUSE / Death Letter

サン・ハウスの 「声」!これだけで十分。ブルース史上屈指の壮絶な熱唱。このアルバム聞いた後ではどんなアルバムでも生温く感じてしまいます。あ、スライドも凄いよ。

THE HOKUM BOYS / 1929

ホウカム調のものにハマってた時期がありまして、これは結構まとまってて面白いですよ。DOCUMENT RECORDS レーベルからのすぐれもの。パチパチいうスクラッチ音も凄いけど、それをかいくぐって出てくる豊かな「音」の数々は
本当に素晴らしい。


GUS CANNON / Vol.1(1927-1928)

ジャグバンドの中でも大好きなのがこのガス・キャノン。ビン笛が泣かせます(いや、笑えます)。

BLIND LEMON JEFFERSON / King Of The Country Blues

テキサス・ブルースの元祖的存在のブラインド・レモン。重みが違う。

ROBERT JOHNSON / The Complete Recordings

ロバ・ジョン…。ギターでコピろうとしてたんだけど、今だに出来ない(もうあきらめた)。

WILLIE DIXON / The Big Three Trio

これこそジャイブでしょう!これよりかっこいいジャイブはそうそう無い。

BLIND BOY FULLER / East Coast Piedmont Style

オーソドックスながら、深い。やっぱイーストコーストはカッチリとしてますね。

ブラインド・ブレイク/キング・オブ・ザ・ブルース・エントリー2

ラグ!!最高に楽しいラグ調のブルースです。このギターは凄すぎ。

MEMPHIS JUG BAND / MEMPHIS JUG BAND

このジャグ・バンドもガス・ギャノンとともに最高です。楽しい!!

Mississippi John Hurt / 1928sessions

フォークっぽいけど凄くイイ。このジャケのほのぼの感そのままの音。

VA / GOOD TIME BLUES(columbia)

Columbiaのこの手のコンピ盤は要チェック!かなりよくまとまってるので旅行のおともに最適?特にこれはレアなジャグ系が沢山入ってるので貴重。

VA /News&The Blues(columbia)

こちらは戦前もののオムニバス。これまた基本的。ラジオのかわりに流すとちょうどいい感じ。

VA/LEGENDS OF YHE BLUES : VOLUME 1 (columbia)

戦前ブルースの入門にピッタリって感じの1枚ですね。いや、入門なんてもったいない。普段から聞いていたいようなアルバムです。とにかく凄い面子のこれまた凄い演奏がギッシリ詰まってます。


CAJUN VOL.1 / ABBEVILLE BREAKDOWN

ケイジャンでまとまってるコンピ盤ではこのCDはかなり優秀だと思うんですが。ハンク・ウィリアムスにつながる音楽性。

BEFORE THE BLUES VOL.1

文字どおり、ブルースが生まれる以前の音楽。1900年代初頭の録音。ハッキリ言って最高。こういうのを聴いてこそ真のブルースファン。


SAM COLLINS / Jailhouse Blues(1920年代)

戦前のミシシッピ・デルタ・ブルースっていえば、サン・ハウスとロバート・ジョンソン。この2人が全人類の基本だってことをふまえつつ、あえて僕はこのサム・コリンズを選ぶ。ミシシッピデルタの特徴は性急で切羽詰まった感じのものが多いのですが、このサム・コリンズの場合はややテキサス風のなごやかさが感じられます。なもんで、ボトルネックもどこか「のほほん」とした味わい。でもハリガネでも弾いてるかのようなギターのぶっとい音はかなりの快感です。ヴォーカルもなかなか安定していてかなり好き。

RCAブルースの古典/V.A.

トミー・ジョンスンが光ってますねえ~!超定番。

THE PORT OF HARLEM JAZZMEN(1939-1940/bluenote)

テディ・バン、J.C.ヒギンボサム、フランキー・ニュートン、アルバート・アモンズ他による4つのセッションからなるCD。とにかく最高の内容で、僕の愛聴盤。けだるい感じのアフターアワーズ・セッションって感じです。ブルーノート初期の4枚のSP盤を順に並べたCD。特に最初の5曲<フランキー・ニュートン(tp)JCヒギンボサム(tb)テディ・バン(g)アルバート・アモンズ(p)ジョニー・ウィリアムス(b)シド・カトレット(ds)>は本当に素晴らしく、これに似た演奏のアルバムを捜し回ったほどです。この手のスロー・ブルースってありそうであまり無いんですよね。

FRANK STORKES / Creator Of The Memphis Blues(Yazoo)

1927年~29年にかけての録音。ありがちといえばありがちな感じの戦前カントリーブルースですが、「Key To the Highway」のパターンなんかがあったりなんかして結構興味深いです。ストークスのソウルフルなヴォーカルが聞き物になってます。この時代のメンフィスのブルースっていまいちつかみ所が無いんですが、フランク・ストークスは結構軽い感じでカントリーっぽいノリもあったりします。

JIMMY YANCEY -VOL.3(1943-1950)

このけだるい感じ。これこそジミー・ヤンシーの真骨頂。いいですね~。




<シカゴ・ブルース>
MUDDY WATERS / The Best Of Muddy Waters
MUDDY WATERS / More Real Folk Blues
MUDDY WATERS / The Real Folk Blues

MUDDY WATERS / Rare And Unissued
MUDDY WATERS / Trouble No More・Singles(1955-1959)
全人類の基本。

ELMORE JAMES / The Sky Is Cring

最高すぎる。エルモアはどうも他のシカゴ系とは何かが違うって感じがするんですが、個人的に。なんてことはどうでもいいんですが、このアルバムの冒頭「ダスト・マイ・ブルーム」!何回聴いても血が騒ぎます。「サン・イズ・シャイニング」とかのソウルフルな路線も最高。

SUNNYLAND SLIM / The Legacy Of The Blues

サニーランド・スリムのピアノ弾き語り。もうメチャメチャしぶい!特別好きなアルバムのうちのひとつ。

JIMMY ROGERS / CHICAGO BOUND
マディ周辺は全部好きなんですが、このアルバムは特に好き。基本中の基本だけど結構よく聴きます、これ。リトル・ウォルターのベスト共々、頻繁に聴きます。

LITTLE WALTER / The Best Of Little Walter
ブルースハープのインストの「ブルー・ライツ」が本当にカッコイイ。

JUNIOR WELLS / Hoodoo Man Blues
バディ・ガイのスカスカギターといい、ジュニア・ウェルズのソウルフルな声といい、カッコイイ曲の数々といい、文句ナシに名盤ですね、これは。大好き。

SONNY Boy Williamson / Down And Out Blues
サニボーイ2の名作。この荒々しさがカッコいいのです。

ジョニー・シャインズ、ジョン・プリム&フロイド・ジョーンズ/シカゴ・ブルーズ1951ー53

J.O.B.に録音されたこの3人の録音。いずれもカントリー・ブルースっぽいシンプルさで、とにかくディープ。

サニーランド・スリム&ジミー・ロジャース/アポロ・センション1949

シカゴブルースの名盤。サニーランド・スリム、セントルイス・ジミー、ウィリー・メイボーン、ジミー・ロジャースらのセッション。シカゴとはいえどこかウェストコースト・ブルースっぽく洗練されているのが面白い。サニーランドのピアノからは真のブルースを感じます。ジミー・ロジャースの「ザッツ・オール・ライト」の初録音という貴重な音源も収録。チェス録音の直前の記録です。

スヌーキー・プライヤー/リアル・ファイン・ブギ

50年代シカゴのブルースハープといえばリトル・ウォルターとサニーボーイ2と相場が決まっている(?)けど、僕はこちらも大好き。ノリのよさでは文句なくナンバーワンです。

ロバート・ナイトホーク/LIVE ON MAXWELL STREET 1964

このヤバすぎる空気がたまらない。キャリー・ベルも2曲でハープ吹いてます。

ロバート・Jr・ロックウッド/ステディ・ローリング・マン

元リトル・ウォルターのバックバンド、ジ・エイシスを従えたロバート・ジョンソンの義理の息子ロックウッドの名盤。意外に落ち着いたノリなのでじっくりと聴ける。

EDDIE BOYD /THE LEGACY OF THE BLUES

いかにもなサウンドににんまりしてしまいます。ペップス・ペルソンのハープがこれまたイイのです。

<カントリー・ブルース>
LIGHTNIN' HOPKINS / Sittin' In With

僕がブルースにどっぷりと漬かるきっかけとなったのがこのライトニン・ホプキンス。特にこのアルバムの力の抜けかげんは最高です。ライトニンはたまにエレキを使うことがありますが、僕はやはりアコギが好き。ライトニンの声にはアコギがピッタリだと思うのだけど、どうでしょう?このアルバムはほとんどアコギ1本(ベースとか入るけど)でライトニンの弾き語りが堪能できます。一般的には地味なアルバムとされていますが、このよさを分らずしてブルースファンとは言えない!この、リラックスしつつもどこかヤバイ雰囲気。これこそがライトニン。カッコイイなあ、ライトニンは。

LIGHTNIN' HOPKINS /The Complete Aladdin Recordings

アラジンに残したライトニンの録音はすべて価値アリ!いちばんカッコイイ時期。

LIGHTNIN' HOPKINS With SONNY TERRY / Last Night Blues

サニー・テリーのハープがライトニンを盛り上げてます。まあ、盛り上げるっていってもスロー~ミディアムテンポばっかりですが。でもこのアルバムは名盤!

LIGHTNIN' HOPKINS / Mojo Hand
必殺!モージョーハンド!言うまでもない名作。

JOHN LEE HOOKER / The LEGENDARY MODERN RECORDINGS
オリジナルの「ブギーチレン」が入ってます。問答無用の名盤。何度聴いたか分からない。

JOHN LEE HOOKER / House of the blues (1951-54/chess)

チェスから出たジョン・リーのアルバム。1曲目'Walkin'The Boogie'は「ブギーチレン」と同じ曲。一体何度この曲を録音してるのか分かりませんが、このアルバムのヴァージョンもなかなか聞き物。2曲目'Love Blues'はマディばりの地を這うようなディープでスローな曲。5曲目'leave may wife alone'はめちゃめちゃカッコイイ!このアルバムのハイライトです。ジョン・リーのオリジナル・アルバムの中で1枚選べと言われれば僕は迷わずこれ。

SONNY TERRY & BROWNIE McGHEE / Hometown Blues

1948~51年の録音。フォーク調ながらも端正なブルースなのです。

REVEREND GARY DAVIS / Say No To The Devil(1961)
レヴァレンド・ゲイリー・デイビスのヴォーカルは意外にカラっとしてていいですね。CCRのジョン・フォガティはひょっとしてこのRev.ゲイリー・デイビスをお手本にしたのかな?

SLEEPY JOHN ESTES /The Legend Of SLEEPY JOHN ESTES

このジャケ写真がすべてを語っているかのようです。



<アーバン・ブルース>
T-BONE WALKER / The Complete Imperial Recordings,1950-1954

インペリアルのコンプリート。問答無用のマストアイテム。

T-BORN WALKER / T-BORN WALKER
Tボーンは相当好きです。ジャズとブルースの中間みたいな印象。チャーリー・クリスチャンとも仲がよかったそーです。ところでこれ邦題が「モダン・ブルース・ギターの父」なのですが、このダサいタイトルはなんとかならんかったんでしょうかねえ…。

CHARLES BROWN / Driftin' Blues

あまりにも偉大なアーチスト、チャールズ・ブラウン。ウェストコースト・ブルースの神髄。このチャールズ・ブラウン・マナーはフォロワーが沢山出ました。かのレイ・チャールズもこれをそのままやってましたね。

ジョージ・スミス/Oopin' Doopin' Blues Harp

「テレフォン・ブルース」があまりにも凄すぎ。

B.B.KING / Singin' The Blues(1952ー56)
B.B.キングのファースト。のっけからエルモア調で始まるところがかっこイイです。ブラインド・レモン・ジェファーソン、ロニー・ジョンソン、Tボーン・ウォーカーらがフェイバリットだったというB.B.キングがなんでいきなりエルモアなんだって気もしないでもありませんが、そんなことはどうでもよくなる。それにしてもこのアルバムは本当に充実してまして、のちのBBの重要レパートリーも沢山含まれてて、ルシールの鳴りもややタイト気味に炸裂してて、ファンならずともブルースの必聴盤といえます。

B.B.KING / The Blues(1951ー58)

前作「シンギン・ザ・ブルース」と年代的にかぶるので内容的には同じ様なものなのですが、こちらのほうがやや地味か。しかしもうすでにBBの例のゴスペル・メリスマ・スタイルのヴォーカルは完成されている。

B.B.KING / The Jungle(1967)
バックにホーンセクションを配したアルバムですが、このホーンはあとからくっつけたもの。CDではホーンなしバージョンも入っていまして、こちらもかなりイイ。ミディアム・テンポの曲にBBの唯一無比の世界を見ます。

B.B.KING /Live At The Regal(1964)
ブルース音楽の究極ともいわれるアルバムですが、1曲目でギターが出てくる所でのけぞった人も多いと思います。エルモアの「ダスト・マイ・ブルーム」にも匹敵するかのような強烈な印象のギターですよね、これは。BBのヴォーカルもこのへんになってくるとやや大袈裟っぽくなってきますが、これがまたいい。

B.B.KING / Live At San Quentin(1990)
「ライブ・アット・リーガル」よりも凄いのでは?ってな感じの大迫力のアルバム。とにかく凄い!

B.B.KING / King Of The Blues Guitar(1960's)
なんと、BBキングのインスト集だ。ルシールの魅力がたっぷりと堪能できる珍盤CDです。

B.B.KING / Midnight Believer(1978)

バックにクルセイダーズを配して作られた名作。内容的にはフュージョン/AORといったところです。曲を作ったジョー・サンプルはかなり気合いが入ってたらしく、自分のグループであるクルセイダーズのものより出来が良いところがかなり笑えます。BBキングは70年代に入ってからこのようなブルースと他の種類の音楽との異種交流を行っていますが、これはその中でもかなり成功したものですね。だってクルセイダーズのどのアルバムよりかっこいいんですよ、これ。僕はこれ中学生のときに買いました。

B.B.KING / Take It Home(1979)
「ミッドナイト・ビリーバー」の続編で、バックはまたまたクルセイダーズ。こちらのほうがややラフな仕上がり、というかこちらのほうがブルース寄りです。しかしこも本当にいいアルバムで、僕はかなりお気に入りなのです。

B.B.KING / There Is Always One More Time(1991)
バックにジョー・サンプルらを従えての作品。サンプルは10年ぶりのBBとの共演。あの「ミッドナイト・ビリーバー」を期待してた僕なんぞはかなり肩すかしをくらいましたが、あのアルバムが特殊だったのであってこっちのノリが本来のBBキング。90年代に入ってもBBはやはりキングだったことを証明する充実した1枚。

Fenton Robinson/SOMEBODY LOAN ME A DIME(1974)
都会的(?)なフェントン・ロビンソン。ボズがパクりたくなるのも分かります…。




<今現在のブルース>
COREY HARRIS / FISH AINT' BITIN'(1997)

今現在のブルースマンで一番気に入ってるのがこのコーリー・ハリス。珍しくラスタのブルースマンです。これは2作目。彼の弾くナショナル・スチールギターももちろんカッコイイんですが、なんといってもヴォーカルが素晴らしい。このアルバムにはニューオーリンズ風のホーンも何曲かで入っていて、ファーストよりはややハデ目ながらも、基本的には弾き語りのカントリー・ブルース・スタイル。ライトニン・スタイルやブラインド・レモン・スタイルなど、なんでも出来る人みたいですが、どの曲もそのヴォーカルによって自分の色にそめ上げてしまってます。「超」がつくほどフェイバリットなアルバム。

COREY HARRIS / Green From The Garden(1999)

ジャケからしてラスタ全開。ついに自分のルーツを前面押し出したこのアルバム。これまでの2枚(「ビトゥィーン・ミッドナイト・アンド・デイ」「フィッシュ・エイント・バイティン」)とはやや趣きが異なり、ハードな(つってもかなりユルいが…)曲なども入っています。レゲエ調の曲やブギー調の曲など、なんでもアリの濃い1枚。しかしこの人、基本的にはスライドギター弾き語りなのですが、バンド形式のものなんかも結構多かったりするためか全体の印象としてはバラエティに富んでるって感じです。しかしまあ内容は文句ナシ。今現在のブルースマンでこれほど濃い人も珍しい。

  
COREY HARRIS / Between Midnight And Day(1995)

これがコーリー・ハリスのデビュー作。当時は「ロバート・ジョンソンの再来」とか「現代版ロバジョン」なんて言われてたけど、最近ではどうなんだろ?雑誌読まないからコーリー・ハリスの現代ブルース界での位置みたいなもんが全くわかりません。でも最高にカッコイイことには変わり無い。ギタースタイルはロバジョンやチャーリー・パットンなどのミシシッピ・デルタ系やライトニン系、ブラインド・レモン系など、なんでもアリで、節操が無いんだけど、そこがまたこのブルースマンのオイシイところだと思います。

(文:信田照幸)


(c)teruyuki nobuta 1999


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