CHARLIE PARKER チャーリー・パーカー
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CHARLIE PARKER / Bird And Diz (1950/verve) 

Charlie Parker(as) Dizzy Gillespie(tp) Thelonious Monk(p) Curley Russell(b) Buddy Rich(ds)
スウィング感といい雰囲気といい、とにかく最高のアルバム。1曲目のBloomdidoはかっこよすぎ。ここにビバップのすべてがある。モンクのピアノも変化球としてとても効果的。モンクの繰り出す奇妙な和音がよくあるビバップから一歩先に踏み出してるように思えたりします。Verveなので音もそこそこ良く、繰り返し聴けます。というかこれ僕の無人島盤です。

CHARLIE PARKER /BIRD & FATS (1950/COOL&BLUE)

1-11: チャーリー・パーカー(as)ファッツ・ナヴァロ(tp)バド・パウエル(p)カーリー・ラッセル(b)アート・ブレイキー(ds)
12-14: チャーリー・パーカー(as)ファッツ・ナヴァロ(tp)ウォルター・ビショップ(p)トミー・ポッター(b)ロイ・ヘインズ(ds)CHUBBY NEWSOME (vo,14 only)
1950.6.30.Birdland録音
1950年6月30日バードランドでのライブ。ブレイキーのドラムが最高で、とにかく煽る。マックス・ローチとのアプローチの違いが興味深い。パーカーとブレイキー2人はもっともっと共演して欲しかった。ナヴァロも豊富なアイディアで圧倒的。パウエルは例のごとく勢いにまかせてピアノを鳴らし、かなり好調。この猛者達を従えたパーカーはといえば、いつもより熱く疾走。パーカーのアルバムの中でも最高峰のうちのひとつで、スタジオ録音とはまた違ったライブならではの熱さ。

CHARILE PARKER / LIVE ・Birdland 1950 (1950/EPM Records)

チャーリー・パーーカー(as)J.J.ジョンソン(tb)レッド・ロドニー(tp)アル・ヘイグ(p)トミー・ポッター(b)ロイ・ヘインズ(ds)1950.2.14.録音
1950年2月14日バードランドでのライブ録音。なんと、曲によっては犬が「ワンッ!ワンッ!」と吠えています(笑)。今じゃ絶対に考えられませんが、当時はライブハウスに犬をつれてくる人とかがいたんでしょうか?それともこっそり外から録音してて、近くにいたのら犬の声までかぶって録音されてしまったんでしょうか?パーカーのソロの合間に犬のワンワンいう声が入ってるとなにやらなごんでしまいます。また、パーカーのソロに合わせるように口笛を吹く人(J.J.か?)なんかもいたりなんかして…、さらになごみます。肝心の演奏の方はといえば、J.J.入りの3管ということで重厚なテーマ部もいい感じ。パーカーも普段どうりのリラックスって感じでのびのびと吹いております。とはいえやはりあの独特のジェットコースター的ソロ回しは健在。

CHARILE PARKER /BIRD IN BOSTON Live At The Hi-Hat(1953ー54/Fresh Sound)

(1-9)チャーリー・パーカー(as)Herb Pomeroy(tp)Dean Erle(p)Bernie Griggs(b)Bill Graham(ds)1953.6.14.
(10-16)チャーリー・パーカー(as)Herbie Williams(tp)Rollins Griffith(p)Jimmy Woode(b)Marquis Foster(ds)1954.1.
ラジオ音源で、シンフォニー・シドのMC。演奏前にシンフォニー・シドがパーカーと話をしてたりします。張りのあるパーカーの音が最高。他のメンバーに関してはマイナーな演奏家ばかりですが、地元ボストンの演奏家達でしょうか。端正な演奏家ばかりです。53年の演奏も54年の演奏もどちらもパーカーは快調。というよりややリラックスムードか。なにやら余裕。ラジオ音源ということもあってか、それなりのレベルはクリアしてます。

CHERLIE PARKER / Bird Is Free (1952/collectables)

チャーリー・パーカー(as)マックス・ローチ(ds)ウォルター・ビショップ(p)マンデル・ロウ(g)テディ・コティックス(b)
かの有名な1952年のロックランドパレスでのライブ。ビバッブ史上最早と言われる「レスター・リープス・イン」が入ってます。バックのローチもわけわからんって感じでドラムの乱れ打ち。というかこの録音自体ピッチがあやしいというウワサもあるけど…、それを差し引いても物凄い演奏。メロディがつぎからつぎへと湧き出てくる様は圧巻。ちなみにこのロックランドパレスの音源はコンプリート盤CD(2枚組)が出ています。

CHARLIE PARKER / Now's The Time (verve/1952-53)

*1~6/チャーリー・パーカー(as)ハンク・ジョーンズ(p)テディ・コティック(b)マックス・ローチ(ds)1952年12月30日NY録音 
*7~13/チャーリー・パーカー(as)アル・ヘイグ(p)パ-シ-・ヒ-ス(b)マックス・ローチ(ds)1953年4月4日NY録音
パーカーの代表作としてあまりにも有名なわりに、実はそれほど聴かれてないのではないかと思うけど、やっぱりこれは名作。「Bird And Diz」と並んでモダンジャズの最高峰の演奏。パーカーの音の張りに注目。

CHARILE PARKER / With Strings The Master Takes (verve/1947-1952)

チャーリー・パーカー(as)他

5つのセッションからなるウィズ・ストリングス・アルバム。ウィズ・ストリングスとはいえパーカーの場合はちっとも寛げないわけで、かなりスリリング。とはいえパーカーの作品中かなり親しみやすいものではなかろうかと思います。昔ニューヨークのハイアットのエスカレーターの中でも流れてました。

CHARLIE PARKER / On Dial(1946ー47)

チャーリー・パーカーのダイアル・セッションのコンプリートで、レコード7枚組のボックス・セット。パーカーの代表的アルバム。で、これはうちにあるハンク・ウィリアムスのコンプリートCDセット(CD11枚組)と同様に家宝。しかし家宝にもかかわらずターンテーブルに乗る機会が少ないのだが、原因は同じ曲の連続攻撃。ビバップだから曲のテーマより即興演奏がメインなわけで、同じ曲の異なったテイクが連続で来ても別によいわけなんですが、レコードでこれはやっぱツライ。でもそんならマスターテイク集聴けばいいじゃないかという話だが、それはそれでなんか物足りない。でもパーカーの場合、こういったスタジオ録音だとどうしても時間的に短いものになってしまってやや物足りなく思うことも多いので、別テイクも含めてひとつの長い曲だと思えばなんとなく納得できる。

CHARLIE PARKER / Jazz At Massey Hall (1953/debut)

チャーリー・パーカー(as)ディジー・ガレスピー(tp)バド・パウエル(p)チャールズ・ミンガス(b)マックス・ローチ(ds)

モダンジャズ史上最強メンバーでの有名なライブ。「ソルトピーナッツ」でのパーカーのソロとか物凄くかっこいい。バックでディジーが「ソルトピーナーッツ、ソルトピ~ナ~ッツ」って叫んでるのも面白い。そしてこの曲でのディジーのソロのさりげない出だしの素晴らしさ。なんともメロディアスなソロ。このライブはパーカーとディジーとがひさびさに共演したセッションだそうだけど、このお祭りムードは本当に最高。どうやらディジーが客を煽り立てて盛り上げているだけど、こういった大歓声の中でのビバップは当時NYのジャスクラブっぽくて(このライブはカナダだけど)とてもいい感じ。パウエルは酔っぱらってたそうだけど、ソロを聞いてるかぎりはあまり分からない。むしろパウエルらしい転がるような高速ソロが聴けるくらい。実はこのときパーカーとディジーの間で火花が散ってたということだそうで、そう思ってよく聴くとこの2人のバトルもなかなか凄かったりします。大体このとき、パーカーは手ぶらで会場まで来て、近所でプラスチックのアルト(当事、練習用のアルトサックスとしてプラスチック製の安いものが売られていたらしい)を買って、それで演奏してたという、ナメきった態度(笑)。それでもこの音圧とテンション!弘法筆を選ばず。パーカー、サックスを選ばず。B-1「ウィー」でのバード~ディズ~パウエルの怒濤のソロの展開は聴きもの。

CHARLIE PARKER / Swedish Schnapps (1949-1951/verve)

チャーリー・パーカー(as)レッド・ロドニー、マイルス・デイビス、ケニードーハム(tp)他

ビバップというのはかなり過激な音楽で、まともに演奏出来るのはほんの一部のミュージシャン達だけで、他の演奏家達はのちのハードバップのようにマイルドなものでなければセッションでまともに演奏出来なかったとも言われてます。この過激さは聞き手をも選ぶのではないかなあなんて最近思ったりするのですが、普段ポピュラー音楽ばかり聞いてる人とかはハードバップのノリにはついてこれてもビバップの超高速のノリに耳がついて来るには結構訓練がいるのかもしれません。ということで、このアルバムなんですが、3つのセッションから成り立っていてパーカーの中でもかなりマイルドなものであり、だからこそ人気もあるかと。ハードバップっぽいノリもあるし、演奏がそれぞれ完結しているような印象もあります。そもそもパーカー及びビバップの魅力とはその未完成っぽいところにあると感じてる僕にとってはちょっと物足りなさを感じますが、テイク14~17のマックス・ローチがドラムを担当した49年のセッションには大満足。やっぱビバップはアップテンポじゃなきゃ雰囲気出ない。

CHARLIE PARKER / Bird at St. Nick's (1950.1.18/jazz workshop)

チャーリー・パーカー(as)レッド・ロドニー(tp)アル・ヘイグ(p)トミー・ポッター(b)ロイ・ヘインズ(ds)
パーカー、レッド・ロドニー、アル・ヘイグ、トミー・ポッター、アル・ヘイグのカルテットで、当事のパーカーのレギュラーメンバー達による普段のライブ。音質の悪さなど全く気にならないほどにパーカーのアルトは光ってます。ラストの「Smoke~」で、テーマを吹くたびに「ああ~」って言ってるオッサンは何なんだろうか。「Hot House」でのロイ・ヘインズはまるで何かにとり憑かれたかのような太鼓の乱れ打ち。テイクごとに音質が違いますが(でも全部ヒドイけど)Hot Houseのテイクはまるで風呂場でサックス吹いてるような感じ。かなり早いフレーズをパラパラとやってるんだけど、この風呂場効果でまろやかに(?)なっちゃってます。当時のライブハウスの雰囲気だと思えばこれもまたよし。

CHARLIE PARKER / The Happy Bird (1951)

チャーリー・パーカー(as)ワーデル・グレイ(ts)ウォルター・ビショップjr、リチャード・ツワージク(p)テディ・コティック、チャーリー・ミンガス(b)ロイ・ヘインズ(ds)
1951年ボストンでのライブ音源。パーカー以外はとくに聴きどころのないレコードですが、16分におよぶ「スクラップル・フロム・ジ・アップル」ではワーデル・グレイのぱっとしないソロをうけてのパーカーの奔放なソロが素晴らしい。

CHARLIE PARKER / Jazz At The Philharmonic 1946 (1946/verve)

レスター・ヤングとパーカーの共演ライブです。で、スイング系のノリ。ウィリー・スミスのサックスとパーカーのサックスとはかなり対照的で面白いです。1ー5までがリー・ヤングのドラム。6、8がバディ・リッチのドラムです。バディ・リッチの方が聞きやすいです。6でコールマン・ホーキンス→チャーリー・パーカー→レスター・ヤングとつづくソロが聴き所。パーカーのリズムに対する切り込み方の独自さが目立ちます。

CHARLIE PARKER / Bird On 52ndSt.(1948/jazz workshop)

チャーリー・パーカー(as)マイルス・デイビス(tp)デューク・ジョーダン(p)トミー・ポッター(b)マックス・ローチ(ds)
N.Y. The Onyxでのライブ録音盤。音が物凄く悪い。これもまたBird at St. Nick's と同様に当事のパーカーのレギュラーコンポによる演奏なわけで、こんな凄い演奏がごく普通に聞こえてきたNY52ndストリートは本当にいい所だったんだなあと思ってしまいます
。かつてニューヨークに行ったときに52ndストリートを歩きながら「う~ん、ここがあの52ndストリートか。なんか普通の通りだな。でかいけど」なんて思ったことがありました。泊まったホテル(42ndストリートにあった)に帰ってエレベーターに乗ったらなんと小さな音でパーカーが流れていました。観光客向けの演出とはいえ嬉しかったです。

CHARLIE PARKER / Summit Meeting At Birdland (1951-53 / CBS)

チャーリー・パーカー(as)ディジー・ガレスピー(tp)バド・パウエル(p)トミー・ポッター(b)ロイ・ヘインズ(ds)他
3つのセッションからなるアルバム。すべて当事のラジオをそのまま録音したものであり、たしかにAMラジオの音です。DJのシンフォニー・シドがいい味出してまして、なんか本当に当時のラジオ聞いてるような雰囲気。1曲だけオルガンのミルト・バックナー・トリオをバックにパーカーが吹いてますが、これがなんともカッコイイ!このミルト・バックナーとのセッションは53年3月23日のバードランドからの放送録音ということなので、他にも音源があるかも。でも最近「Bird's Eyes」とかのパーカーのマニア向けCDが店頭からすっかり消えているので探すのは大変…。また、このアルバムにはパーカーの演奏する「ラウンドミッドナイト」もありまして、これもまた聴き所のひとつ。

CHARLIE PARKER /Savoy Recordings ~Master Takes (1945-48/savoy)

ダイアルと並ぶパーカーの代表アルバム。やっぱ凄い。「Merry-go-round」「Klaunstance」「Bird Get The Worm」「Koko」といったアップテンポのものばかり聴いてます。当事の録音の都合で演奏時間がみんな短く、その分ソロが短いのが難点ですが、アップテンポのものだと一気にまくしたてるようにソロがつづいていくのでその点だけ少し満足。とはいうものの、パーカーの絶好調を記録した貴重な音源なので安心して何回でも聴けます。

CHARLIE PARKER / Bird At The Roost Vol.1(savoy)

ロイヤルルーストでのライブ音源で、ラジオからのエアチェック音源です。CD2枚組。DJはシンフォニー・シド。48年12月25日の録音ではテーマ曲にあわせて「ジングル・ベル」を吹いてます。それでなんと「ホワイト・クリスマス」もやってます。パーカーの「ホワイト・クリスマス」はとても楽しげ。楽しげといえば、このアルバムは全体的に楽しげな雰囲気です。49年1月1日のライブでは客が凄い盛り上がってて、チャーリー・ヴェンチュラなどとのセッションなんかもあったりしてとてもいい雰囲気のライブです。

CHARLIE PARKER / Bird At The Roost Vol.2(savoy)

ロイヤルルーストのライブ盤は最近紙ジャケCDでコンプリートが出ているようですが、このCDもVol1とVol2でコンプリート音源だと思います。このアルバムのVol.1同様CD2枚組。同じ曲が繰り返しでてきますが、ソルトピーナッツでの超高速ソロが凄まじい。とにかく一瞬にすべてを賭けるかのような密度の濃さ。当事のレギュラーメンバーだったケニー・ドーハムやマイルス・デイビスは少しでもディジー・ガレスピーに近付こうとハイトーンでがんばってすばやく吹いてます。とはいえこのスタイルだと結局ディジーには及びませんが。しかし親分のパーカーは相棒やバックが誰であろうといつでも同じように凄いプレイを見せてくれるわけで、やはりスケールがデカイ。ところでこの音源には当事のラジオのラジオCMまで入っててまるで昔のラジオを聞いてるかのような面白さもあります。このCDラストで「スローボート・トゥ・チャイナ」をやってますが、演奏中に笑い声(シンフォニー・シドの声かな?)が聞こえてきて、ついでに演奏後もパーカーとのなごやかなやりとりがあったりして、雰囲気がとてもいいです。

CHARLIE PARKER / Charlie Parker Story On Dial Vol.2~New York Days

ダイアル・セッションの中のニューヨーク録音のみに焦点を合わせたアルバム。要領よくまとまっているのでダイアルでのパーカーをさらっと聴きたいときにはこれがよいです。もともと最高傑作といわれていたダイアル・セッションなだけに、どれもテンション高いです。極端な話、パーカーはアドリブが命だったので曲のテーマ部なんてどうでもいいんですが、コンプリート盤と違ってこうやってひとつひとつ違う曲が並んでいると曲もなかなかイイじゃないかって思えるようになります。「オール・ザ・シングス・ユー・アー」のコード進行を使ってのアドリブ曲「バード・オブ・パラダイス」は本当にいい演奏。

CHARLIE PARKER / Lullaby In Rhythm (1947/dial)

ラジオ音源からのレコード。レニー・トリスターノ参加のセッションではトリスターノの異様さが目立ちますが、パーカーは相変わらずの素晴らしいソロ。またこのセッションにはクラリネットのジョン・ラ・ポルタも参加しておりパーカとの掛け合いが面白いです。

CHARLIE PARKER /Plays Cole Porter(1954/verve)

A面が1954年3月11日録音、B面が1954年12月10日録音。ということで、このB面がパーカーのラスト録音。B面の「ラヴ・フォー・セール」の2つのテイクでのパーカーは本当に最高で、力強いパーカーのプレイを聴けます。ひと昔前はこのラストレコーディングの評価は低かったものですが、今はどうなんでしょう?僕は非常に高く評価します。音のひとつひとつにパーカーの力と意志のようなものを感じます。パーカーの持つ時間感覚というのは非常に緻密で、聴く側はそれなりに耳を訓練しておかないとその面白さの半分も味わうことが出来ません。このアルバムはそういった訓練なしで楽しめるアルバムとして昔から言われていたようですが、意外に深い演奏ではないでしょうか。

CHARLIE PARKER /Big Band (1950-53/verve)

バックにビッグバンドとストリングスがついたトラックやヴォーカルコーラスなどがついたトラックなんかもあるアルバム。パーカーはバックがどうあれいつもと同じようにカッコイイ演奏。With Stringsよりはややハードな演奏の数々です。ヴォーカルコーラスとの共演曲では自由自在にサックスを吹きまくるパーカーが気持ちいいです。それにしてもこの時期のパーカーやパウエルのVerveのCDはいくつかのセッションの寄せ集めだったりするので(当時のレコードが10インチだったりするため)耳の切り替えに大変です。でもこのアルバムなんかは初めからLP単位だったのかな?ちなみにこれ、変型の紙ジャケットになってます。

CHARLIE PARKER /The Cole Porter Songbook (verve/1952-1954)

1~2がストリングスやビッグバンドがバックについたセッション、3~5が「Big Band 」からの音源、6ー11が「Plays Cole Porter」からの音源、12が1952年のライブ音源、という構成。文字どおりパーカーがコール・ポーターの曲を演奏したもののみに絞った企画CD。一般的には6ー11のパーカーのラスト音源が入ったCDとして知られてるかもしれません。しかし、「Plays Cole Porter」には入っている3曲分のAlternate Takeがここでは入っていません。ここまで録音年代がバラバラのものを一枚のCDにしてしまうってのはヴァーブがよくやること。しかし、晩年のパーカー芸術に触れるには最適の一枚かもしれません。

CHARLIE PARKER / Inglewwod Jam - BIRD and CHET -live at the Trade Winds (1952/fresh sounds)

チャーリー・パーカー(as)ソニー・クリス(as)チェット・ベイカー(tp)アル・ヘイグ(p)ハリー・ババシン(b)ローレンス・マラブル(ds)1952年6月16日 The Trade Windsでのライブ録音
パーカーとソニー・クリスのバトルが聞き物。そしてソニー・クリスとの対比の中でパーカーのリズムに対するノリ方の独自性が浮かび上がってきます。ソニー・クリスが熱狂的にフレーズをパラパラと機関銃のようにつなげていくのに対し、パーカーは独特の「間」を取りつつ、リズムに半テンポずらしてノったり、短い章節内に急激に上昇あるいは下降する倍テンポのフレーズを入れたりと実にヴァリエーションに富んだソロを繰り広げます。このパーカーの不思議な感覚はかつてパーカーが影響を受けたというレスター・ヤングの奏法から来ているのもかもしれないし、あるいはパーカーだけが持っていた体質であったのかもしれません。パーカーとクリスという同じビバッパーでもこれだけの違いがあるということがまた面白い。ところでここでのクリスはパーカーに乗せられたのか、本当に調子がよさそうです。僕はアップテンポになったときのクリスが大好きなのでこのアルバムでのクリスには大満足。パーカーに関してはいうまでもありません。素晴らしすぎ。

CHARLIE PARKER / BIRD SYMBOLS(1946-47)

チャーリー・パーカー(as)マイルス・デイビス(tp)他
ダイアル・セッションの中からセレクトされたまさにダイアルのベスト・オブ・ベスト的なアルバム。4つのセッションから成り立ってますが、中でもパーカー(as)エロール・ガーナー(p)レッド・カレンダー(b)ハロルド・ドッグ・ウエスト(ds)のカルテットからなる「バーズ・ネスト」と「クール・ブルース」は本作中のハイライト。ワンホーンのため他のテイクのようにマイルスの凡庸なソロを聞かずにすむのが嬉しい。エロール・ガーナーの流麗なプレイもなかなかの聞き物。そこそこまとまってる印象のオムニです。

CHARLIE PARKER / Jazz Perenial (verve/1949-53)

チャーリー・パーカー(as)他
24bitで紙ジャケ。このアルバム、4つのセッションがぶち込んでありまして、それぞれに素晴らしい音源です。カルテット演奏が3曲、クインテット演奏が3曲('Swedish Schnapps'のCDに収録のものを同じ音源)、コ-ラス入りビッグバンド編成が3曲('Charlie Parker Big Band'のCDに収録のものと同じ音源)、ビッグバンド編成が2曲という構成になってます。パーカーの存命中にお蔵入りしてた1~3のカルテットが聞き物で、落ち着いたパーカーの演奏が聞けます。ただ、落ち着いてはいても「朗々」とは吹かないのがパーカーの面白いところで、いつものように複雑ながらもメロディアスなパーカー独特のアドリブラインを聞くことが出来ます。

CHARLIE PARKER /Complete Jazz At Massey Hall (disconforme)

チャーリー・パーカー(as)ディジー・ガレスピー(tp)バド・パウエル(p)チャールズ・ミンガス(b)マックス・ローチ(ds)
マッセイホールのコンプリート音源。2003年にCDで出ました。最初聴いたときには1曲目のパーディドのイントロの長さに驚いた。ミンガスはなんでイントロを少しカットしてたんでしょうか。また、ミンガスのベースのオーバーダブもこちらは一切入ってないので実に自然な感じです。音質も向上してて言うことなし。中盤にはパウエル・トリオだけの演奏が入ってます(パウエル・トリオだけのマッセイホールCDも出てます)。パーカーに関しては今までのマッセイホール以外の音源はないので特に目新しいものも無いのですが、音がクリアになった分だけ聴きやすくなってます。内ジャケには白いプラスティック製のアルトを吹くこの日のパーカーの写真なんかも載っててファンにはマスト。ところでこんマッセイホール、お祭り的雰囲気がダメって人もいるようですが、僕はこのお祭りムードはとても好きです。

CHARLIE PARKER /Fiesta(1951-52/verve)

チャーリー・パーカー(as)ウォルター・ビシャップJr(p)テディ・コティック(b)ロイ・ヘインズ(ds)マックス・ローチ(ds)他
パーカーがラテンナンバーを吹いてます。ラテン・パーカッションもポコポコと入って楽しげです。ラテンナンバーとはいえソロパートはいつものパーカーなので安心。トロピカルなラテンも楽しめて4ビート・ビバップも楽しめる構成。ところでこのアルバムに収録されてる曲はどれもラテンのメロディアスな曲ばかりなのですが、パーカーってこういう歌ものの歌わせ方も実に上手くて、いつもの単純なビバップ曲のテーマ部に飽き飽きした後にこのアルバムを聞くとパーカーの懐の深さを感じたりします。普通のニューヨーク・ラテンとして聞いてもいい感じです。

CHARLIE PARKER /RARA AVIS (RARE BIRD) (1949,1952,1954)

チャーリー・パーカー(as)他
3つのセッションから成り立ってまして、ジョー・ブシュキン入りの1949年の音源は、まずはストレートなビバップでNOW'S THE TIME、スウィング調のLOVER、ジョー・ブシュキンお得意のラウンジ調でのI CANT'T GET STARTED、ニューオーリンズ~ディキシー風のBLUES JAM SESSION…と、いろいろ工夫のあるセッション。TV出演時の音源です。同じくTV音源から1952年の音源はマックス・ローチ入り。なんとBOP vs DIXIELANDなんてセッションがあります。かなり面白い。1954年の音源はTHE HI-HAT CLUBでのライブ。シンフォニー・シドのナレーション入り。このCDの中では49年のLOVERが最高。徐々に盛り上がっていく構成です。

CHARLIE PARKER /Washington Concerts (1952-53)

チャーリー・パーカー(as)他
1ー8がビッグバンドをバックにしたもの(1953年)、9-12がJack Holliday(p),Franklin Skeete(b)Max Roach(ds)とのカルテット(1953年)、13-14がなんとチャーリー・バード(g)入りの9人編成セッション(1952年)、15がレッド・ロドニーのインタビュー、という構成のアルバム。1-8はビッグバンドがどうにも古臭いもののパーカーは音の張りも良くかなり素晴らしい内容。9-12は、まず9のローチとの凄まじい4バースが聞き物。太いリードから出てくるビャ~っていう音が生々しいパーカーの飛ばし方も凄いがローチのスウィング感もこれまた凄い。客席からたまに笑い声が聞こえてくるのはローチが笑わせてるのかな?12なんかを聴くと相当ハイスピードでつぎからつぎへといろんなフレーズを出してくるところから、この日はかなり好調だったようで。というかこのテイク、数あるパーカーの録音の中でもかなり上位に来るのでは。13-14での注目はチャーリー・バード。ここではどうやらいつものガットグターではなくて普通にアンプリファイドのエレクトリックを使っております。この2つのテイク(合わせて16分半)はコンガ入りのなかなか楽しいセッションで、ズート・シムズやカイ・ウィンディング等も参加しております。かなり内容充実です。

CHARLIE PARKER /CHARLIE PARKER AT STORYVILLE(1953/capitol)

1-4:チャーリー・パーカー(as)レッド・ガーランド(p)ビリー・グリッグス(b)ロイ・ヘインズ(ds)
5-9:チャーリー・パーカー(as)サー・チャールズ・トンプソン(p)ジミー・ムード(b)ケニー・クラーク(ds)ハーブ・ポメロイ(tp)
どちらも1953年ボストンでのライブ録音。ラジオの放送音源です。パーカーは比較的リラックスした演奏で、ガーランドのピアノとともになごみます。放送用だからかそれほど過激に飛ばすということはありません。しかしリラックスしてるとはいえパーカーの緩急自在にゆらぎを作るアドリブラインはなかなか気持ちよく冴え渡っております。

CHARLIE PARKER /BIRD'S EYES 1/4 (1937,1947,1948,1951,1952)

チャーリー・パーカー(as)レニー・トリスターノ(p)他
パーカー・マニアなら一度は必ず通る「BIRD'S EYE」シリーズ。一体ナンバーいくつまで出てるのかさっぱりわかりませんが、パーカーにハマったことのある人ならうっかり買ってしまった経験があるでしょう。音が極端に悪かったり関係ない音源が混ざってたり長々とインタビューが入ってたりといろんな問題をかかえながも、このシリーズは貴重な音源の数々が聴けるので重宝します。これはLP時代の1と4をCDとしてまとめたもの。ここでの最大の聞き物は1951年のトリオ編成(Take9と10)。レニー・トリスターノの家で録音されたものだそうで、メンバーはパーカー(as)、レニー・トリスターノ(p)、そしてケニー・クラーク(ds)ですが、ケニー・クラークは「brushes on a newspaper」ということで、ブラシで新聞紙をたたいております(笑)。このセッションは2曲だけ(時間にして8分くらい)とはいえ、これがまあ実に素晴らしい。ケニー・クラークのブラシはほとんど聞こえないのでレニー・トリスターノとのデュオ的雰囲気。クール派の創始者トリスターノとホット派の代表パーカーとの真剣勝負。ジャズ史上最もクリエイティブだったこの2人によるなごやかなリアル・ジャズ。だんだんとホットになっていくパーカーの姿は、トリスターノ派の高弟リー・コニッツの最高傑作「モーション」(1961)にどこか似てたりするんだけど、コニッツはこの録音を知っていたのかもしれないなんて思ってしまった(ちなみにコニッツとパーカーはスタン・ケントンのバンドで共演してます)。ここでのパーカーはいつものようにあらゆるパターンをすべて出し切るようなソロとはやや趣きが異なり、どこか思索的。この時期のライブのように勢いだけでパーカーフレーズを吹きまくるというのとはちょっと違った感触です。フレーズのひとつひとつを丹念に組み立て、新しい音楽を瞬間瞬間で作り上げようという姿勢が見えます。
このCDのTake18~23は1951年6月ブルックリンでの録音ですが、ライブハウスの外から録音したのか何なのか、遠くから聞こえてくる感じがなんだかとてもいいです。「遠音」を楽しむ感覚で聴いていたい。

CHARLIE PARKER /BIRD'S EYES Vol.8

ポール・デズモンドとチャーリー・パーカーとの対談(take 13)が入ってます(ラジオ音源)。1954年初頭の録音。英文ライナーにその対談が全文掲載されてるのも嬉しい。なで肩サックスの代表デズモンドといかり肩サックスの代表パーカーって組み合わせがなんとも不思議な感じです。これで共演音源だったらさらに面白かったんですが…。ところでこのCDの演奏の方ですが、take11と12(合わせて11分)の1952年3月N.Y.ブルックリン・キングシアターでのライブ録音が凄いことになってます。観客の大歓声の中パーカーのサックスが鳴り響く。現代の聴き方とは随分違ってて興味深いです。

CHARLIE PARKER /BIRD'S EYES Vol.14 (1947-1949)

チャーリー・パーカー(as)マイルス・デイビス(tp)デューク・ジョーダン(p)アート・ポーター(b)マックス・ローチ(ds)他
take1-22が上記のメンバーによる録音。他はワンホーンの音源とディジーやナヴァロらとのセッション。ほとんどがシカゴでの演奏です。世に音の悪いディスクは数あれど、これほど音質の悪いCDも珍しいかも。まるでDOCUMENTレーベルの戦前ブルースのレア音源CDのようです。このCDの聞き方はただひたすらにパーカーの音だけを追うこと。ローチらのリズムを追ってもサッパリ聞こえなかったりするので無駄です。パーカーの音だけ耳で拾っていけばなんとなくアバンギャルド音楽でも聞いてるかのような気分になってきてそれなりに風情も出てきます。そんな感じで聞いているとtake11あたりから急に音質が良く聞こえてきてtake17あたりでは「あれ?これ、結構音いいじゃん」なんてつぶやいてるかもしれません。しかしこのCD、ずーっとひどい音質のままってわけではなくラストの2曲(31と32)ではそこそこの音で聞くことが出来ます。聞き物はなんといってもTake32。レニー・トリスターノ入りのクール・ジャズ風セッションです。マイルス、ディジー、ナヴァロ、J.J. & Kai、バディ・デフランコ、チャーリー・ヴェンチュラ、ビリー・バウアー、シェリー・マン、パーカー、トリスターノ他がクレジットされていますが、雰囲気はコニッツの「サブコンシャス・リー」っぽかったりするのが非常に興味深いところ。

CHARLIE PARKER /BIRD'S EYES Vol.5/6 (1947-51)

Take2-14はフランス盤の『LIVE ・Birdland 1950 』(1950/EPM Records)と同じ内容。やっぱり犬が吠えてます(笑)。ロイ・ヘインズの特徴のあるパタパタいうドラムとパーカーとのコンビネーションは結構いいようです。他は6つのセッションがばらばらに入ってます。ジャケに書いてあるTake番号が途中からズレてるのはいつものこと。ジャケには19曲って書いてあるが実際には26曲入ってます。どれも音質は非常に悪いですが、こういった形でパーカーの普段の演奏に接してみるとパーカーに対する愛着もさらに出てきます。

CHARLIE PARKER /BIRD'S EYES Vol.10(1949-50)

1950年のアポロシアターでのウィズ・ストリングスのセッションと49年のパリでのセッションの2種類収録。アポロシアターの方はRepetition, April In Paris, Easy To Love, What Is This Thing Called Loveというセットが6回くり返されます。最初の2セットは司会者のアナウンスまで収録されていて、6セット目の途中でパーカーへのインタビューが少しあります。基本的にパーカーしかソロを取らないので安心して聴けますが、でもさすがに同じ曲目のセットが6回も出て来るのはよほどのファンでもないかぎりきついかもしれない。パリセッションの方は、パーカー、ローチ、アル・ヘイグ、トミー・ポッター、ケニー・ドーハムのクインテットで怒濤のビバップ4曲分。ソルトピーナッツをフランス語で言って客をわかせます。BIRD'S EYESシリーズ全部に言えることなんですが特にこれはマニア向け。

CHARLIE PARKER IN SWEDEN 1950 (storyville/1950.11.24.)

チャーリー・パーカー(as)ロルフ・エリクソン(tp)ゴスタ・テセリウス(p)グンナール・スヴェンソン(p)イングヴェ・アケルベルイ(b)トーレ・ジュデルビー(b)ジャック・ノーレン(ds)

チャーリー・パーカーが終始ゴキゲンだったというスウェーデン旅行でのライブ。客のウェルカムぶりが物凄く伝わってきて、聴いててほのぼのとしてきます。パーカーも実に愉しそうに吹いてるのが伝わってきます。私家録音ゆえ音質は良く無いけど、パーカーのサックスは力強くて素晴らしい。

CHARLIE PARKER / BIRD

チャーリー・パーカー(as)他
映画「バード」のサントラで、パーカーの演奏に合わせてバックを現代のジャズミュージシャンがオーバーダビングして録音された珍品。バックだけが端正な音作りなのでパーカーが完全に浮いてますが、ある意味ビバップ(あるいはモダンジャズ)と現代ジャズとの決定的な違いが浮き彫りになっていて、とても興味深いところ。そして、パーカーがいかに本物の怪物であったかがハッキリと分かるアルバムでもあります。

CHARLIE PARKER / An Evening At Home With The Bird (savoy/1950)

チャーリー・パーカー(as)クラウド・マクリーン(ts)クリス・アンダースン(p)ジョージ・フリーマン(g)リロイ・ジャクソン(b)ブラズ・フリーマン(ds)

シカゴのパーシング・ホテルのパーシング・ボールルームに出演したときのライブ録音。当時のパーシング・ボールルームのハウスバンドにパーカーが加わってのライブだったらしい。にしても、パーカーはバックがどんなメンバーであってもいつでも最高の音を出す。このライブでも、リラックスしつつも決めるところはビシッと決める、という感じがとてもイイ。クラウド・マクリーンの鼻歌のようなテナーもこれはこれで味わい深い。

CHARLIE PARKER / Live with the Big Bands (1951,1953.1954/disconforme)

チャーリー・パーカ-(as)スタン・ケントン・オーケストラ、ウッディ・ハーマン・オーケストラ、ジョー・タイマー・オーケストラ

パーカーが、当時白人に人気のあった名門ビッグバンドと共演したときのライブ音源。ビッグバンドのスイング系のノリに、パーカーは超然とバップフレーズで対応してます。これ、意外に退屈しないで聴けます。

CHARLIE PARKER / CHARLIE PARKER (verve)

ヴァーヴ時代のコンピ盤。とはいえアルバム「ナウズ・ザ・タイム」からの別テイクとボツテイクを多数収録した優れもの。 

CHARLIE PARKER / Bird And Diz +14 (verve)

「バード・アンド・ディズ」に別テイクやボツテイクを加えた完全版。パーカーの演奏はたとえどんなものでも価値がある。ましてやこの名盤ともなれば、その録音すべてに価値があるのは当然のこと。verve音源の中でも頂点に位置するくらいの価値ある演奏。

CHARLIE PARKER With Strings / April In Paris (verve/1949-1952)

ウィズ・ストリングスの元祖にして最強といったところでしょうか。パーカーの容赦無い即興がストリングスからやや浮き気味。ピアノと比べるとその浮き加減がよく分かります。また、何故かミッチ・ミラーがいます(笑)。1曲目でいい感じのオーボエ吹いてます。歌ものでヒットを飛ばす以前のミッチ・ミラーです。ちなみにこのCDは「CHARILE PARKER With Strings The Master Takes」と内容がかぶりますが、ジャケの雰囲気がとてもいいので、買いです。

Charlie Parker / Complete Bird at the Open Door (1953)

Charlie Parker(as) Benny Harris(tp) Al Haig(p) Charles Mingus(b) Art Taylor(ds)

これまでBIRD'S EYES」のシリーズ(vol.24, 25)でしか聴けなかった音源がようやくまともにCD化されました。音質はよくないけど、パーカーが絶好調なので音質はあまり気になりません。とにかくものすごい。数曲を除いて全部ワンホーンで吹きまくります。ロックランドパレスなどと並んで、最高級クラス。最近はこのCDのようにライブまるごとコンプリートで編集されたCDがどんどん出てきました。

MILES DAVIS / Collector's Item (prestige/1953)

Charlie Parker(ts) Sonny Rollins(ts)Miles Davis(tp)Walter Bishop Jr.(p)Percy Heath(b)Philly Joe Jones(ds)

チャーリー・パーカーがテナーで参加しています(1~4)。ロリンズとの2テナーなわけですが、この二人のスタイルの違いがはっきりと現れていてとても興味深い。パーカーは基本的にアルトのときと同じなんですが、アルトのときよりも音圧が多少弱く、ときおりレスター・ヤングを思い浮かべてしまいます。フレーズの組み立て方などはいつもどおり。ロリンズはもうすでにあのモールス信号的フレーズを使いながら、太い音でゴリゴリと吹いてます。この録音時、パーカーは酔っ払ってたかドラッグやってたかで相当いいかげんだったそうですが、音楽的にはロリンズを凌駕しており特に問題無い感じです。にしても凄いメンバー構成だな。

Charlie Parker & Dizzy Gillespie /Diz'N Bird At Carnegie Hall

Charlie Parker (as) Dizzy Gillespie (tp) John Lewis (p) Al McKibbon (b) Joe Harris (ds) etc.

この時代のパーカーのライブ音源にしては比較的音が良くて嬉しい(ピアノは相当オフ気味だが)。ドラムが古風なスイング・スタイルだけどあまり気にならない。このアルバムは前半のカルテットがとにかく凄い。パーカーの飛び方も尋常じゃない。後半はビッグバンド形式で、George Russell、Tadd Dameron、Gil Fullerがアレンジ担当。ディジーは生涯ビッグバンドを好んだだけあってかここでもやたらと陽気です。Oop-Pop-A-Daでは客を湧かせます。 

CHARLIE PAEKER / The complete Dean Benedetti recordings of Charlie Parker

ディーン・ベネディッティがこっそりと録りに録ったパーカーのアドリブ部分。CD7枚分のボリューム(何故か途中数曲分ディーン・ベネディッティ自身の演奏が入っている)。なにせ全部ソロパートだけなのでやたらとせわしない。とはいえ元々ビバップ自体がせわしないもんなので特に問題無いかもしれないと思えてしまうところが面白いか。パーカーのソロばかりを集めたものだけに密度が異常なほど濃いのだが、これに魅入られてしまうともう抜け出すことが出来ない。パーカーのアドリブラインには悪魔的魅力とでもいうような妖しさがある。パーカーを追いかけ気が狂ったようにパーカーのソロだけを盗み録りしたディーン・ベネディッティの気持ちも分からんでもない。

CHARLIE PARKER / JAM SESSION (1952)

Charlie Parker (as) Barney Kessel (g) Johnny Hodges(as) Benny Carter (as) Ben Webster (ts) Flip Phillips(ts) Charlie Shavers (tp) Oscar Peterson (p) J.C. Heard (drums)

こういうのを聴くとつくづくジャズとは自分の声を持ってるかどうかなのだなあ、なんてことを思う。大御所が集まったこのセッション、それぞれみんな超個性的。そしてみんなアクが強い。こんな個性の塊ばかりが集まるなんて現代ジャズではまず考えられない。ジャズの面白さはこういう部分にある。それはそうと、パーカーはこの中に入ってもやはり光ってます。パーカーのフレーズは何故モダンに聴こえるのか、謎としか言い様が無いけど、とにかくこの中間派的メンバーに混ざるとパーカーは確実に先の時代を生きてることが分かります。

CHARLIE PARKER / Carnegie Hall X'mas '49 (1949)

Charlie Parker (as) Red Rodney (tp) Al Haig (p) Tommy Potter (b) Roy Haynes (ds) Miles Davis (tp) Bennie Green (tb) Sonny Stitt (as) Serge Chaloff (bs) Bud Powell (p) Curley Russell (b) Max Roach (ds)

1949年カーネギーホールでのクリスマス・ライブ。とはいえ別にクリスマス・ソングをやってるわけではなく、普通にいつもの曲をやってます。出演はパーカー・クインテットの他にバド・パウエル・トリオやマイルス・デイビス、レニー・トリスターノ・セクステット、ゲッツ、他いろいろ。パーカーは5曲。このときパーカーは絶好調のようでとんでもなく飛びまくってます。おまけにパーカーのライブ音源にしては音質もまあまあ良い方。だもんでマストアイテムのうちのひとつ。アルバムとしてもとてもいいものになってます。ちなみにこのライブではパウエルも絶好調のようで、かなり安定してます。

CHARLIE PARKER / A Studio Chronicle 1940-1948

5枚組のオムニバス。年代順にパーカーのスタジオ録音をいくつかまとめてみたという感じ。歌伴が多く入ってるというのがこの手のものにしてはちょっと珍しいか。ジェイ・マクシャン時代から聴いていくと、Disc5のキレキレのプレイの凄まじさが余計に際立つ。リマスターで音が少し良くなってる。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes Vol. 25

1-9 : the Open Door in New York City, July 23, 1953
10-22 : Pershing Ballroom, Chicago, October 23, 1950

Open Door音源の後半部分。このOpen Doorライブはパーカーの凄まじさがよくわかるライブで、パーカーの最高峰のうちのひとつ。全ジャズファン必聴。以前はこのBird's EyesしかCDで聴けなかったが、今ではコンプリート音源CDも出ている。後半は50年のシカゴPershing Ballroom音源。パーカーのソロ以外は結構カットされてたりするが、隠し録音にしてはサックス部分の音が良い。終わりの方に妙なクルーナー・ボーカルものがいくつか入ってる。こちらもまたコンプCDあり。このBird's Eyes Vol. 25はBird's Eyesシリーズの中でも最後のもの。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes Vol. 21

1949年~1953年までのテレビ音源などの寄せ集め。ポール・ブレイ入りのセッションが4曲だけある(1953年)。カナダのテレビでのセッションなんだが、この4曲がとにかくとんでもなく良い。パーカーのバックでポール・ブレイがちょっとホレス・シルヴァーっぽく責めてるのが面白い。「Summit Meeting At Birdland」にも収録されているミルト・バックナーとの共演も入っている。

CHARLIE PARKER & Machito & His Orchestra / The Latin Bird

ニューヨーク・ラテンのパーカーです。これは1948年~1952年までのマチートとの共演などからピックアップしたもの。「Fiesta」からも3曲入ってる。フィリップ・フィリップスのソロと比べたときのパーカーのソロの凄まじさはただごとではない。にしてもマチートのオーケストラは素晴らしい。ジョージ・ラッセルの「New York, N.Y.」のナレーションで語られるそのままの素晴らしさ。

CHARLIE PARKER / Complete Savoy Live Performances (1947-1950)

サヴォイのライブ音源をCD4枚組にまとめたもの。Carnegie HallやRoyal Roost、Chicago Clubなどでのライブ。有名なCarnegie HallでのWhite Christmasも入ってる(disc1)。やはりサヴォイのスタジオ録音に比べると圧倒的に躍動感がある感じ。スタジオ録音の完成されたビバップもいいが、ライブでの不完全なビバップの持つ高揚感とスリルは格別。

CHARLIE PARKER / New York Anthology 1950-1954

CD3枚組のオムニバス。1枚目と3枚目はバードランドからのラジオ音源中心だが、最高なのは2枚目。名盤「Complete Bird at the Open Door」がまるごと入ってる上、他の音源も加わってかなり凄いことになっている。1枚目に入ってるモダン・ジャズ・カルテットとの共演曲(1952年11月1日バードランド)もかなり最高。これだけでも価値があるほど。

CHARLIE PARKER / The Complete Legendary Rockland Palace Concert

52年ロックランドパレスのコンプリート音源。「Bird Is Free」はこのライブからの抜粋。このライブ、ウィズ・ストリングスものも多いので「レスター・リープス・イン」のようなキレるパーカーばかり期待するとハズすかも。とはいえパーカーのライブの中でも名作のうちのひとつ。同時期のヴァーブ音源に比べれば音質が悪い分だけ印象が悪い気もするが内容的には最上級。「Bird Is Free」で盛り上がる人にはマスト。 

CHARLIE PARKER / The Bird Returns (1947-48)

Charlie Parker (as) Miles Davis (tp) Al Haig (p) Tommy Potter (b) Max Roach (ds)
Kenny Dorham (tp) Luckey Thompson (ts) Milt Jackson (vib)

この手のサヴォイの編集盤レコード(どれも30分程度)はいくつかあるけど、サヴォイやダイアルやヴァーヴやライブなどのコンプリート盤などと違ってなんとなく味わい深い。コンプリート盤では埋没してしまうような音源でさえなんだか凄いものに聴こえたりするから不思議なもんだ。いや、実はひとつひとつが凄いのだ。ただ、コンプリート盤の場合には長い時間凄いものが続くので聴く側の耳がどこか麻痺してしまうのだ。こういうものでひとつひとつをじっくり聴くという機会は絶対に必要。 

Charlie Parker with Lennie Tristano Complete Recordings (1947-1951)

Charlie Parker (as) Lennie Tristano (p) Kenny Clarke (brushes) Dizzy Gillespie (tp) John LaPorta (cl)Billy Bauer (g) Ray Brown (b) Max Roach (ds) etc.

チャーリー・パーカーとレニー・トリスターノとの全共演をまとめたもの。何と言っても冒頭の2曲。パーカー、トリスターノ、そしてケニー・クラークが軽くブラシで新聞紙(電話帳という説もある)を叩いているというトリオ編成。これは本当に貴重なドキュメント。これまで、チャーリー・パーカー「BIRD'S EYES 1/4」というレア盤(名盤です)に入っていましたが、こうやって表舞台にこの音源が登場してくれて嬉しいかぎり。トリスターノはパーカーのように章節に対してワンテンポずらしてみたりということをほとんどせず、またフレーズをタブルタイムで展開して緩急を付けたりということをしてもパーカーのようにスピード感が変わることが何故か無い。また、パーカーは既成曲のフレーズをアドリブラインに盛り込んだりレスター・ヤングのフレーズを持ってきたりということをしますが、トリスターノはそういうことをせずあくまで自分のフレーズのみ。この厳しさがトリスターノ系クールジャズにまとわりつくある種の禁欲的な雰囲気を感じさせる要因でもあります。1947年のラジオ音源(3-19)と1951年のメトロノーム・オールスターズ(20-24)の音源はビバップ&クールジャズの混成チームによる演奏。パーカーの圧倒的プレイが目立ちますが、ビリー・バウアーの素晴らしさも全開。 

Charlie Parker All Star Sextet (1947)

Charlie Parker(as) Miles Davis(tp) J.J. Johnson(tb) Duke Jordan(p) Tommy Potter(b) Max Roach(ds)

1940年代のダイアル音源を1958年に編集したLP。レーベルはroost。ダイアルもこのようにLP単位にしてくれると一曲一曲の重みが増すように感じるから面白い。選曲もシブイ。にしてもダイアルのパーカーは圧倒的。 

DIZZY GILLESPIE, CHARLIE PARKER / TOWN HALL NEW YORK CITY JUNE 22, 1945 ( UPTOWN /1945 )

Dizzy Gillespie (tp) Charlie Parker (as) Don Byas (ts) Al Haig (p) Curly Russell (b) Max Roach (ds) Sidney Catlett (ds)

パーカーの最も凄い時期の、最も凄い演奏。お馴染みのフレーズも何故か新鮮に聴こえる。曲目の多くがマッセイホールと被ってるので比較してみるのも面白い。この頃のパーカーは端正だ。この頃のアル・ヘイグもなんだか凄いな。パーカーはちょうどこの前後にダイアルとサヴォイの録音をしている。

Charlie Parker & Dizzy Gillespie / BeBop's Heartbeat (1945, 1947)

1-5: Charlie Parker (as) Dizzy Gillespie (tp) John Lewis (p) Al McKibbon (b) Joe Harris (ds)
6-12: Charlie Parker(as) Dizzy Gillespie(tp) Slim Gaillard(g, p, vo) Jack McVea(ts) Dodo Mamarosa(p) Tiuy Bam Brown (b, vo) Zutty Singleton(ds)

前半は47年9月29日のカーネギーホール・コンサートの音源。後半は45年12月29日のスリム・ゲイラードのグループとバード&ディズのブルース・セッション。前半は有名な音源で、これの完全版CDも出てるもの。で、問題は後半。これがかなり珍しくて面白い。アーバン・ブルースにパーカーとディジーが入ったようなものなのに、特にミスマッチでもないというか、妙にハマってるのが不思議。ブギウギ調ピアノにビバップが乗っかるという、40年代ならではの面白さ。

Charlie Parker / At The Finale Club & More

1-5: Charlie Parker (as) Miles Davis (tp) Joe Albany (p) Addison Farmer (b) Chuck Thompson (ds)Finale Club, Los Angeles, 1946.
6-10: Charlie Parker (as) Jimmy Knepper (tb) Al Haig (p) Tommy Potter (b) Roy Haynes (ds) New Brunswick, New Jersey,1950.
11-12: Charlie Parker (as) Bill Harris (tb) Buddy De Franco (cl) Dick Cary (p) Eddie Safranski (b) Don Lamond (d) Valencia Theater, New York,1952.
13-14: Charlie Parker (as) Kenny Dorham (tp) Lucky Thompson (ts) Al Haig (p) Tommy Potter (b) Max Roach (ds) Waldorf Astoria Hotel, New York, 1949.
15-18: Charlie Parker (as) Willie Smith (as) Benny Carter (as) Nat “King” Cole (p) Oscar Moore (g) Johnny Miller (b) Buddy Rich (d) NBC Studios, Los Angeles, 1946.

5つのライブが入ってるアルバム。1~5曲目までのロサンゼルスのライブは何故かピアノのジョー・オーバニーが物凄いことになっている。つぎの6~10曲目のニュージャージーでのライブはパーカーが細かい所まで神経が行き届いているような丁寧な演奏。つづくNYでのライブ(11~12曲目)は観客のノリが凄くてちょっと現代では考えられないような盛り上がり。現代のかしこまって鑑賞するスタイルとは真逆で、やたらと楽しそうな雰囲気が伝わってきます。バップはこういうのが似合います。ラスト(15~18曲目)はメンバーが凄すぎ。スイング派の大御所とのセッション。ナット・キング・コール・トリオの3人(オスカー・ムーア、ジョニー・ミラー)がいるのが凄い。

Charlie Parker / Complete Live At Cafe Society (1950)

1-11: Charlie Parker (as) Kenny Dorham (tp) Al Haig (p) Tommy Potter (b) Roy Haynes (ds)
12-14: Charlie Parker (as) Kenny Dorham (tp) Tony Scott (cl) Brew Moore (ts) Dick Hyman (p) Chuck Wayne (g) Leonard Gaskin (b) Ed Shaughnessy (ds)

1950年6月から7月にかけてのニューヨークのCafe Societyでのライブでラジオ音源。音質はよくない(特にドラムの音が小さい)が、パーカーの音はデカく、プレイの方もかなり好調。ウィズ・ストリングスでやるような曲目が多いけどストリングスは無しでカルテット演奏。意外にケニー・ドーハムの好演が光る。それに何よりもこの会場の雰囲気がいい。

Charlie Parker / The Charlie Parker Story (SAVOY / 1945)

Miles Davis (tp) Charlie Parker (as) Sadik Hakim (p) Dizzy Gillespie (tp, p) Curly Russell (b) Max Roach (ds)

安定のサヴォイ音源。アルバムで聴くというのは、マスター・テイク集やサヴォイのコンプリート盤なんかを聴くのとは全く違った味わいがある。それなりに考えられた曲順なのだろう。ながら聴きが出来ないような構成というか、何故か演奏を丹念に追っていってしまう。曲の生成現場を見てるような感じ。ラストのパーフェクトなKokoが物凄い。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes vol.2/3 (1949)

Charlie Parker(as) Red Rodney(tp) Al Haig(p) Tommy Potter(b) Max Roach(ds)

マニア向けブートのBird's Eyesシリーズの2と3の2in1CD。1949年11月、シカゴのPershing Hotelでのライブ。最初にショートバージョン(パーカーのソロの抜粋)があって、その後に曲全部が流れるという変な構成(vol.3のLP盤の方のラストに入ってた「Groovin' Hight 」ロングバージョンはカットされている。)。もう最初からマニアしか相手にしていないという潔さ。レッド・ロドニー入りということで、パーカーの伝記映画「バード」を思い出してしまいます。低音の薄いペラペラな音質だけどAMラジオでも聞いてると思えばそれなりに味わい深い。演奏の方はリラックスしるんだかエキサイトしてるんだかよく分からないような雰囲気だけど、パーカーのソロは全般的に好調のようです。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes vol.7 (1949-51)

音は悪いし、途中のインタビューは20分もつづくし、おまけに後半は全部フィル・ウッズの演奏だし、という三重苦のアルバムではあるけれど、1曲目の1951年6月のブルックリンでの演奏のリアルさが素晴らしくて、これだけで許せるような気になってきます。客席のざわめきと騒音の中から聞こえてくるビバップがなんともいい感じです。また、JATPでのお祭り騒ぎのような陽気な4曲目や、マイルスの生真面目さがよく分かるような5曲目も面白い。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes vol.9 (1949-53)

いろんなセッションが詰め込んであるけど、ほとんどはニューヨーク録音で、一部カナダ・モントリオールの音源が混ざっている。3曲目と4曲目はベースがミンガス。1曲目、音がいいので期待していると、サラ・ヴォーンのヴォーカルのあとに入ってくるパーカーのソロが何故か途中で切れてたりする。とはいえその後のセッションも前半は音質が比較的いいし、ソロも好調で嬉しい。ちなみに、ピアニストはハンク・ジョーンズ、アル・ヘイグ、ビリー・テイラー、ケニー・ドリュー、ポール・ブレイといった、のちにビッグになる面々が顔を揃える。これらのピアニストを聴き比べるのも面白い。16曲目のバラード(ピアノはポール・ブレイ)でのパーカーが凄まじい。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes, Vol. 11 (Bird In France) (1949)

Charlie Parker(as) Kenny Dorham(tp) Al Haig(p) Tommy Potter(b) Max Roach(ds)

Bird's Eyesシリーズのvol.11はまるごと1949年5月フランスのパリでの演奏。曲の最後がちょん切れているテイクの多いのが少し気になるものの、内容は素晴らしい。客のテンションが凄いからなのか、あるいはパリでの演奏ということからなのか、演奏の方もテンション高めで、気を抜いてるようなところも一切無く密度が濃い。所々音が悪いけどベースの音が大きめに聴き取れるのでそれなりに聴ける。ただ7曲目のチュニジアはずっとバチバチと騒音が入っててもったいないかなあ。

CHARLIE PARKER / Bird's Eyes vol.12 (1949-50)

1と2がパリでのライブで、それ以外は全てNYでのライブ音源。2のラテン・ビッグバンドをバックに吹くパーカーが面白い。3~8はマイルス入りのクインテットでHotel Diplomatでのライブ。客の声がガヤガヤと聞こえてくる大雑把さがとてもいい。ダンスホールか何かだろうか。9~19の "136th Street Session" がかなり素晴らしい。パーカー以外のソロはカットされてる場合が多いが、絶好調のパーカーが聴ける。

Charlie Parker / Unheard Bird The Unissued Takes (verve/2016)

とんでもない未発表音源が突然CD2枚分も出て来たわけだが、これがまた凄い。テーマ部の確認、何回ものボツテイク、いろんなパターンのアドリブなどを経て、マスターテイクへと至るというドキュメント。テイクごとにいろんなアイデアを繰り出すパーカーの凄さ。とにかくどのテイクもスリリングで面白い。ラテン・セッション、ビバップ・セッション、オーケストラ・セッション、ストリングス・セッションなどなどいろいろある。verveだから音もいい。ひょっとしてまだまだ沢山この手の音源は残っているのではなかろうか。全部出してほしいなあ。

Charlie Parker / Montreal 1953 (uptown jazz/1953)

Charlie Parker (as) Paul Bley, Steep Wade, , Valdo Williams (p) Brew Moore(ts)Bob Rudd, Hal Gaylor, Neil Michaud(b)Billy Graham, Bobby Malloy , Ted Paskert(ds) Dick Garcia(g)

1953年2月5日及び7日のモントリオールでのライブ音源。いくつかのセッションから成る。音質がそこそこいいのが嬉しい。最初のセッションなどは音質の内容もヴァーヴ音源にも引けを取らない。パーカーの音も張りがある。マッセイホールのときよりも調子良さそうだ。ただ、共演者が数人を除けば謎が多い。にもかかわらず2曲ほどパーカー無しのテイクがあるわけで・・・(笑)とはいえ彼らの演奏も悪くは無い。ちなみこれはマッセイホールの1ヶ月前の演奏。

Sir Charles Thompson / Takin' Off (Delmark / 1945-47)

Charlie Parker (as) Dexter Gordon (ts) Buck Clayton (tp) Sir Charles Thompson (p) Danny Barker (g) Jimmy Butts (b) J.C. Heard (ds) etc.

最初の4曲がパーカー入りのセッション。かつてアナログで「Sir Charles Thompson All-Stars Featuring Charlie Parker」(Vogue)として出てたもの。パーカーとデクスター・ゴードンの共演という貴重な音源。スウィング系のノリではあるものの、4曲目の「Street Beat」なんかではパーカーの物凄い入り方のソロがあったりして面白い。

Charlie Parker / Bird's Eyes, Vol. 15 (1945.6.6, 1950.4.3)

Charlie Parker(as) Dizzy Gillespie(tp) Flip Phillips(ts) Red Norvo(via) Teddy Wilson(p) Slam Stewart(b) Specs Powell(ds) etc.
1945年のテディ・ウィルソン入りの16〜27曲目が特に素晴らしい。バード&ディズにテナーがフリップ・フィリップス、ベースがスラム・スチュアート、ヴァイブがレッド・ノーヴォ。音もまあまあいい。かつてレッド・ノーヴォのリーダー作としてレコード化されてたもの。1950年の録音の方(1〜15)はバックがビッグバンド。途中でぶつ切りで終わってたりして完全にマニア向け。16曲目から聴くのが正解。

Charlie Parker / The Savoy 10-inch LP Collection (1944-48)

サヴォイ音源のリマスターなのだが、以前よりも相当音がよくなっている。10インチ・レコードで出ていた「New Sounds in Modern Music Vol.1~4」をそのままCD化したもので、レコードも同様にリマスタリングで再発された。以前のサヴォイ音源のCDは全般的にかなりこもった音でAMラジオっぽい狭さだったけど、このリマスターはサックスの音が結構くっきりと出ているしドラムのシンバルもよく分かるし、
とてもいい。ベース音が結構厳しいけど元々の音質を考えればそれも仕方ない。サヴォイを聴くなら今のところこれが一番。ちなみに紙ジャケで、CDも裸のまま雑に入っている。


(文:信田照幸)


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