<FUSION/その3>
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BOB JAMES / Touchdown (Tappan Zee /1978)

名作。ボブ・ジェームスはこの前後はすべてイイ。特に本作は音の質感のバランスがよくてほんとに素晴らしい。アール・クルーの参加も嬉しいところ。フェンダーローズの音色、ホーンセクション、薄くかぶさるストリングス・・・。イージーリスニング的要素はクリード・テイラー譲りか。当時、テレビやラジオなどでこの手の音がよく使われてました。僕は70年代に小学生時代を送ったせいか、こういう質感を持った音がとてもしっくりきます。

BOB JAMES / Two (CTI / Tappan Zee /1975)

なんといっても1曲目の「Take Me to the Mardi Gras」。1970年代~80年代初頭にかけてのテレビ番組「世界あの店この店」のテーマにも使われてました。バックのストリングスやホーン郡(ともにアレンジはボブ・ジェームス)も実に素晴らしい。70年代のボブ・ジェームスを代表するような曲。ちなみにこの原曲はポール・サイモン(こちらの方も実に素晴らしい)。 

BOB MINTZER QUARTET / Quality Time (TVT JAZZ/1998)

Bob Mintzer(ts,ss) Phil Markowitz(p) Jay Anderson(b) Peter Erskine(ds)
tracks 4&10 のみ Mintzer(ts, b-cl, EWI) Russell Ferrante(key) Jimmy Haslip(b) William Kennedy(ds)

だいぶ前にJAZZのSAXコーナーでも取り上げたけど、あえてこちらでも紹介。これはもう大好きなアルバムなのだ。ジャケそのままの気持ち良さ。アコースティックではあるもののやはりフュージョン的要素も多いというか、コンテンポラリー・ジャズとでもいうか、要するにどっちつかずなわけです。イエロージャケッツと同じです(ちなみにアルバム中の2曲はイエロージャケッツのメンバーによる演奏)。このどっちつかずな感覚がプラス方向に作用して、なんだかとても心地よいアルバムとなってます。アースキンの、タイトでありながらスケールの大きなドラムもとても良い(のちにアースキンはちょっとの期間だけイエロージャケッツに加入します)。ビッグバンドのボブ・ミンツァーもいいけど、スモールコンポでのボブ・ミンツァーも素晴らしいなあと実感した一枚。

BOB JAMES / BJ4 (CTI/1976)

Bob James (p,f ender rhodes, clavinet, syn,) Eddie Daniels (fl, cl, sax) Hubert Laws (fl) Art Farmer (tp, flugelhorn) Gary King (b) Steve Gadd (ds) Ralph MacDonald (per) 他

名盤。ボブ・ジェームスの代表作のひとつ。ONEやTWOの頃に比べてホーンやストリングスの音が落ち着いた感じになり、安定感が出てきました。これ以降80年頃までこのニュアンスでアルバムを出していきますが、本作の安定感はずば抜けて素晴らしい。全体に流れる70年代的雰囲気がこれまた最高。

YELLOWJACKETS / Altered State (2005)

00年代のイエロージャケッツはライブ盤2作にスタジオ録音4作。どれも充実してて素晴らしいアルバムだけど、中でもこの「Altered State」は雰囲気が特に良くてお気に入り。ライブ盤のような極端な激しさが無いかわりに、落ち着いたラウンジ感覚と洗練された音の深みがある。

BOB JAMES / The Genie- THEMES & VABIATIONS FROM "TAXI" (1983)

Bob James (key) Randy Brecker(tp) Mike Lawrence (tp) Marvin Stamm(tp) Michael Brecker(ts) Eddie Daniels(sax) George Marge(sax) Tom Scott(sax)Steve Khan (g) Gary King (b) Peter Erskine (ds) Steve Gadd(ds) Sticks McElhiney(ds) Idris Muhammad (ds) Buddy Williams (ds) Alan Schwartzberg(ds) Leonard Gibbs(per) Jimmy Maelen (per) Ralph McDonald(per) Dave Friedman(vib) etc.

邦題は「N.Y.メロウ」。83年発売のアルバムながら内容的には70年代後半っぽさを残した、とてもいいアルバム。音によるNYスケッチといった感じで、当時のCM「スパークリング・ニューヨーク」なども思い出す。古き良き時代という言い方があるけど、僕にとってはこの時代がそれに当たるのかなあ、などと思ってしまうくらいに素晴らしい雰囲気(このアルバムに関しては個々の演奏がどうのというより、雰囲気だ)。たしかにあの時代はこんな感じだった。

MATTHIAS EICK / Skala (ECM/2011)

Mathias Eick (tp) Andreas Ulvo (p) Audun Erlien ( el-b) Gard Nilssen (ds) Morten Qvenild (key) Tore Brunborg (ts) Sidsel Walstad (harp)

ECMというのはもはやECMというひとつのジャンルになっている感がある。で、それはそれでいいんだけど、ECMには昔からフュージョンとモダンの中間みたいなのが意外に多い。この作品もそのうちのひとつ。というかこれはかなりフュージョンな一枚。フュージョンといっても演奏を聞かせることが中心のものや雰囲気重視のもの、ノリ一発みたいなもの等いろいろあるけど、これは雰囲気系かもしれない。ECMで雰囲気ってば寒々しい北欧の荒涼とした景色。がしかし、本作の景色はそれだけではない。むしろ都市の景色の方が合うような気も。都市の中のひんやりとした空気感。Mathias Eickのトランペットはちょっとアル・ビズッティに似た安定感がある。

EUGE GROOVE / S7ven Large (Shanachie Records/2011)

Euge Groove (ts,ss,Hammond B3, , Programming) Peter White (g) Lee Thornburg (tb, tp) John Jubu Smith (g) Dan Needham (ds) Cornelius Mims (b) Trevor Lawrence Jr. (ds)
Tracy Carter(Fender Rhodes, p)��Rick Bruan (tp) Ross Bolton (g)

Euge Grooveの7枚目のアルバム。この人のサックスプレイはファーストの「Euge Groove」(2000)から一貫してるが、バックトラックの微妙な変化に注目。4枚目あたりから生楽器っぽさを前面に出しはじめ、5作目でかなり落ち着いた洗練された音へと変化。6作目の前作「Sunday Morning」(2009)でも相当いい感じになってたけど今作もまたイイ。だいたいフュージョンの中でもスムースジャズってジャンルは雰囲気重視の機能主義的音楽なわけで、どれだけ心地よい雰囲気を演出できるのかってことにかかってるともいえる。個々のプレイよりも雰囲気。余計な自己主張なぞいらない。音楽から連想される風景が都会的であればあるほど良い(笑)。昔でいうところのムード音楽みたいなものか。だからラジオのスムースジャズ・ステーションからはどれも似たようなものばかり流れてくるのだ。で、このEuge Grooveはまさにそんな「どスムースジャズ」。なんとなく湾岸ドライブがオシャレだった時代(80年代後半とか�w)を思い出さなくもないが、これはこれで現代の都市風景なのかも。で、やっぱこれも「ワインライト」の子孫だろうなあと。

SHAKATAK / Across The World (2011)

シャカタク(笑)。とか言われてたシャカタクがここまで素晴らしいグループになろうとは(笑)。シャカタク=ナイトバードって先入観のせいで何だか11PMのインスト的なイメージしか無いって人も多かろうが、これ聴いて改心すべし!最近のスムースジャズの中でもトップクラス。楽曲よし、音の感触よし、雰囲気よし。ナイトバード的世界観もちらほら見え隠れするが、それはシャカタクの個性。最新のスムースジャズの中に埋め込まれた懐かしのエッセンスもまたよし。クラブミュージックのエッセンスも盛り込んでスムースジャズへと着地したシャカタクの懐の深さにちょっと驚く。ほんと素晴らしいBGMだ(←やっぱBGMなんかい)。

PETER WHITE /Good Day (Peak/2008)

実は1990年のピーター・ホワイトのソロデビュー前から僕はピーター・ホワイトが好きだった。1986年のBASIAのアルバム「Time And Tide」(今ではスムースジャズに分類されるが昔は普通にロックやAORみたいな形で紹介されてた)にギターで参加してたのがピーター・ホワイト。この「Time And Tide」は僕が大学時代にほんとによく聴いてたアルバムで、あまりに聴きすぎて今では全く聴く気が起きないほど。なんでそんなにこのアルバムが好きだったのかは正直よく分かんないのだが(笑)、とにかくお気に入りだったのだ。この「Time And Tide」発表の翌年の1987年にBASIAは来日し、ピーター・ホワイトも一緒に連れて来た。渋谷クラブ・クアトロのこけら落としライブで、何故か今でもよく覚えている。というわけで本作 。メジャー(Columbia)落ちしてからの2作目。いや~、爽やか。ガットギター・フュージョンってばボッサでごまかす人が多いけど、ピーター・ホワイトはやっぱ分かっておる!アール・クルー的世界観もちょっと取り入れて、ときおりスパニッシュな湿り気もありつつ、カラリとした晴天音楽。「Good Day」というタイトルそのままな感じがとてもイイ。もはやBASIA~マットビアンコ的要素は全く無いけど、その方がいいのかもしれない。

PITCH PINE PROJECT / Unprecedented Clartiy (2008)

UDO PANNEKEET(b) ROB VAN BAVEL(p, rhodes, synth) TOM BEEK(sax, bcl) MARTIJN ITERSON(g) CHRIS STRIK(ds) RANDY BRECKER(tp, flh)

PITCH PINE PROJECTの2作目。ウェザーリポートっぽくもあり、イエロージャケッツっぽくもあり�、要するにモダンジャズ寄りのフュージョンなんだけど、これがまたイイ。フュージョンではなくジャズに分類してもいいんだけど、メンバー的にあえてこちらに分類してみた。にしてもこの洗練された演奏。こういうセンスはかなり好きだ。WRやYJよりもいいんじゃないのかってくらいにイイ。エレベを弾くUDO PANNEKEETがリーダーだそうだが、エレベもなんだか物凄いな。

B.B.KING / Midnight Believer (MCA/1978)

一応B.B.キング名義だが実質上クルセイダーズwith B.B.キングといった感じのアルバム。曲は全部クルセイダーズが用意し、プロデュースもクルセイダーズ。で、内容もそのままクルセイダーズ。AOR風味満載のちょっとオシャレなアルバム(笑)。B.B.キングのギターの例の濃さがやや控えめとなっているのはかなり正解。この時代のフュージョンのいいところが詰まっている(ソウルというにはちょっとフュージョン寄りだ)。とんでもない名作。ちなみに僕はこのレコードを中学3年生のときに買った。サウンドレコパルで某ミュージシャンが好きなアルバムとして紹介してたから買ってみたってだけなんだが、当時はこのアルバムの良さがほとんど分からず、「ふーん」といった程度の感想。これが突然良く聴こえ出したのは大学に入ってからなのであった。

MATT MARSHAK / Urban Folktales (2011)

Matt Marshak(g) Rodney Williams (key) Carl Anderson (ds) Kenny Harris (b) Marcus Anderson (vocoder) Benjie Porecki (Fender Rhodes, keys) Gina Breedlove (vo) John Dillard (b) Barry Danielian (tp) Mario Cruz (sax, fl ), Stix Bones (key, programming) Chris Geith (key)

もう毎日暑くて頭が溶けそうになってくるわけだけど、こんなときには涼しい音楽だけ聴いて過ごしたい。というわけでこのアルバム。ここ1ヶ月くらいずっとうちではヘビーローテーション。最近のスムースジャズは素晴らしいものが多いけど、本作も素晴らしすぎ。Matt Marshakの控え目なギターのなんと涼しげなことか。ギラギラと暑苦しいベンソンの対極にある。そしてなんといってもバックトラックを含めた音作りのセンス。なんとも最高です、これ。フェンダーローズが宙を漂うようにギターの音も宙を漂ってます。これがあれば今年の夏は乗り切れる!にしてもこの1曲目�、ギターのワウをこれほど涼しく聴かせる人も珍しい。

Yellowjackets / Timeline (Mack Avenue Records / 2011)

Russell Ferrante(key) Jimmy Haslip(b) Bob Mintzer(sax, b-cl) William Kennedy(ds)

あれ?なんかひさびさにイイ感じじゃないか。と思ってメンバーをよく見たらドラムのウィリアム・ケネディが戻ってきてるではないか!98年のClub Nocturne以来だろうか。やはりイエロージャケッツのドラムはウィリアム・ケネディしかいないだろうとこれ聴いて実感した次第。あとこのアルバム、ラッセル・フェランテのセンスが抜群にいい。特にバックで色合いをつけてるときとか最高。にしても今作はなかなかイイぞ。ちょっと燻りかけてたイエロージャケッツがついに復活の狼煙を上げたという感じ。やはりウィリアム・ケネディ効果か。

GEORGE BENSON / Guitar Man (concord / 2011)

昔からジョージ・ベンソンの口ひげが気になってしょうがないんだが、このジャケでもやっぱり口ひげが気になってしょうがない。というわけでこのアルバム。ひさびさにすごく良い。コンスタントにアルバム出してるわりには自分的にみんなそこそこな感じだったんだけど、おおっ!と思ったのは90年代のアルバム以来かも。アール・クルーがこの作品に関して「今までのベンソンのアルバムの中でもベストのうちのひとつ」と明言してるけど、僕も全く同感。これまでのギラつくような過剰演出は極力抑え、かぎりなくシンプルに、そして音の質感にものすごくこだわった作品。よく見りゃレーベルはコンコード。さすがコンコードはギターものになると強い。だいたい1曲目の意表のギターソロからしてこのアルバムに対するスタンスが良く分かるってものだ。心なしかジャケに写るベンソンの口ひげもシンプルになったように感じる。近年のスムースジャズはいいものが多いが、ベンソンはちょっと格が違うなとつくづく思った。だてに口ひげが細いわけじゃない。

FARNELL NWETON / Class Is Now In Session (2011)

Farnell Newton (tp) Chris Turner (key) Tyrone Hendrix (ds) Marquay Seamster (b) Alex "Popcorn" Milsted(ts) etc.

ブラコン寄りのフュージョン。この”いかにも”なミッドナイト感覚(笑)。そして、もはや懐かしささえ漂うブラコン的空気感。なにげに今年聴いたフュージョンの中でも結構印象的だった。所々古臭いファンク臭もあったりするけれど、別に気にならない。もう完全に”ムード”優先の音楽かと。音の感触だけでなごんでしまう。

TOM HARRELL / Time of the Sun (highnote/2011)

Tom Harrell (tp, flh) Wayne Escoffery (ts) Danny Grissett (p, rhodes) Ugonna Okegwo (b) Johnathan Blake (ds)

モダンジャズ系のTom Harrell のアルバム。あまりにフュージョンなのでフュージョンのコーナーに入れてみた。全曲Tom Harrellのオリジナル。5曲目が特に好き。これは名曲すぎる。なんでもない曲なんだが、響きが凄くよくて、こればかりリピートしていたい。にしてもTom Harrellの安定感のあるプレイは聴いててほんと心地よい。ところでTom Harrellはフリューゲルホーンも吹いてるが、フュージョン界でフリューゲルホーンといえばChuck Mangione(どこ行った�)。Tom Harrellの場合はChuck Mangioneと違ってあまりきらびやかに吹くことはなく、結構地味で狭いレンジの中を行ったり来たりし、ちょっとスタジオミュージシャン的な端整さを持ち合わせている。にもかかわらず、Chuck Mangioneと同質の音の感触というか音の形みたいなものを感じるのが不思議(←褒めてるんですよ)。

JEFF RICHMAN JIMMY HASLIP DANNY GOTTLIEB / Trio Loco (2001)

Jeff Richman(g) Jimmy Haslip(b) Danny Gottlieb(ds)

なんでもないギタートリオなんだが、何故か不思議な魅力がある。Jeff Richmanは線の細いジョンスコって感じなんだけどジョンスコほど奔放でもない。かなり地味。だけどこの地味さ加減がみょ~にクセになる。これ聴くとどういうわけかなんでもないようなギターってのが聴きたくなってくるのだ。おしつけがましい個性とかのないようなギター。いい音楽を聴くとそれに近い別の音楽もいろいろと聴きたくなるもんだけど、このアルバムなんかはまさにそれ。べつに、この音楽に何か不足してるものがあるってわけでもないのだ。呼び水のような役割なんだろうか。なんとも妙だけど、とにかくそんな面白さがある。イエロージャケッツのJimmy Haslipの超絶ベースもカッコイイです。

Yellowjackets / Shades (MCA/1986)

80年代半ば頃っていうのは、録音技術が迷走してた時期で、だいたい変なエコーがかかったような安っぽい音が氾濫してた。ついでにシンセの音も安っぽいものばかり。だから当時のポップスは今聴くとかなり独特の安っぽさと軽さで出来上がってるものが多い。フュージョン界もその洗礼をモロに受け、特に打ち込み系のリズムを使ってしまったものはほぼアウト。

幸いイエロージャケッツはすべての楽器が人力だし、そもそもラッセル・フェランテのセンスがいいので、やっちまった的なものは無いものの(いや、85年の「Samurai Samba」は・・・笑)、このアルバムの音の感触はかなり危うい所がなきにしもあらず(笑)。がしかし、時の流れのおかげでこの音の感触もアリとなった。変なエコーのかかった音もなんだか懐かしいではないか(笑)。まるで80年代特有の時代の軽さを象徴するがごとく、軽やかで心地よい。特に5曲目以降が素晴らしすぎる。なんだこれは。こんなに名作だったのか(笑)。ダンボールの中に埋まってたこのレコードを聴きなおしてみてオオッ!?と思い、CDでよく聴きなおしてみてさらにオオオオッ!!となった。これは名作だ。

次の「Four Corners」(1987)からはだんだん生音に近い感触に近づいていき、「Politics」(1988)「The Spin」(1989)とMCA時代を経て、「Greenhouse」(GRP/1991)あたりから本格的にモダンジャズ寄りになっていくわけだけど、ポップなイエロージャケッツも結構いいかもしれない、なんてことを本作を聴いて思った。というわけでこれ、それまでのWarnerからMCAに移っての最初の作品。「懐かしさ」要素という上乗せがあるからというわけでもないが、かなり最高の1枚。特に5曲目以降。

MILES DAVIS / The Man With The Horn (1981)

80年初頭のニューヨークの音。この雰囲気がイイ。これは演奏を聴くというよりも雰囲気を聴くアルバム。自分の中で80年代的な音がアリになった今、まるでヒノテルのような3曲目「Shout」だって全然アリだ。長い間このアルバムはマイルスの過去(70年代エレクトリックマイルス)の焼き直しに見えてしょうがなかったんだけど、なんか今となってはそういうことはどうでもいい。結構かっこいいアルバムなのだ。ついでに言うと、マイク・スターンのロック臭溢れる田舎臭いギターが全然ダメだったのが、70年代ギターフュージョンの流れと考えればなんだかアリになった。で、あらためて凄いなあと思ったのは、アルバムの雰囲気。すっかり60年代のあのピリピリした雰囲気に戻ってる。マイルスのアルバムってのはいつも雰囲気が一種独特で、僕なんかはプレイ内容にかかわらずその雰囲気だけでじゅうぶん楽しめる。あと、このアルバム、マーカス・ミラーのベースが凄すぎ。特に1曲目とか。ラフなスラッピングがやたらとかっこいい。

Joe Sample & NDR Big Band - Children Of The Sun (CONTENT Record/2012)

Joe Sample(p, fender rhodes) Steve Gadd(ds) Marcio Doctor(per) Ingmar Heller(b) Nils Landgren(tb) Frank Delle(ss, ts) Stephan Diez(g) Klaus Heidenreich(tb) Dan Gottshall (tb) Gabriel Coburger(ts, flute) Stefan Lottermann(tb) Ingo Lahme(tb) 他

ジョー・サンプルの新譜。1曲目が最高。フュージョンというよりモダン系ビッグバンド。ジョー・サンプルってばクルセイダーズ時代からソロまで結構好きなアルバムはあるんだけど、本作もまたセンスが抜群にイイ。73歳になってもこんな凄いアルバムを平気で作っちゃうんだからほんとに凄い。で、一体このアルバムの何が凄いって、この音風景。これがありそうでなかなか無いのだ。音風景・音空間という観点から見てイイなあって思えるものは結構貴重。ビッグバンドでもスモールコンボでもなんでもいいんだけど、こういう雰囲気や音空間のものは無条件で気に入ってしまう。カウント・ベイシーの「Kansas City 7」(impulse)とかジョージ・ラッセルの「New York, N.Y.」とか(この2枚は僕の無人島盤)に限りなく近づいた感じ(音楽内容の話ではなくて音空間・音風景の話)。

The Fantasy Band (1993 /dmp)

Lionel Cordew(ds) George Jinda(per) John Lee(b) Chuck Loeb(g )David Mann(as, ts) Marion Meadows(ss) Dave Samuels(vib) Christoph Spendel(key)

今やフォープレイのギタリストとなったチャック・ローブがdmp時代に参加してたグループのファーストアルバム。ジャケどおりのリゾート気分な音がなんとも嬉しい。なんだかあの時代のJ-WAVE(まだJ-POPなんか流れてなかった頃)の匂いが�(笑)。演奏内容に特に意味が無いというか、心地良さだけを表現しました的な潔さと爽やかさが最高すぎる。今頃の季節(春)にちょうどいい感じ。とにかく聴いてるだけで気分がいいってのはありそうでそんなに無いので、結構貴重かも。

Marc Antoine / Guitar Destiny (Frazzy Frog Music/2012)

マーク・アントワンはどうもピーター・ホワイトと印象がかぶる。どちらもバーシア絡みだからってわけでもないけど、どうにもまぎらわしい。マーク・アントワンはピーター・ホワイトよりもクセがあって、フラメンコ的な臭みがあるのが特徴。これはプレイだけでなく曲調もその手のクセがあるので聴き手を選びそうなもんだが、これがまた上手い具合に”スムース”にアレンジされてて、気持ち良いスムースジャズになってるのがすごい。スムースジャズなんてある意味気持ち良さがすべてみたいなところがあるから(そこんところがクロスオーバー~フュージョンとの違いともいえると勝手に思ってるんですが)、マーク・アントワンの持つ臭みなんてのは特に問題にはならない。で、この2012年のアルバムなんだけど、アコースティックな感触が素晴らしい。同じ2012年のピーター・ホワイトのアルバム「Here We Go」が打ち込み主体のデジタルな感触(これはこれで気持ちいい作品)なのとは対照的だ。

Larry Carlton / Four Hands & a Heart Volume One (335Records / 2012)

初期の曲の再演ってば、すでに2007年の「Greatest Hits Rerecorded Volume One」という名作があるわけだが、このアルバムでは初期の曲をアコースティカルに静かに再演。エレキとアコギとパーカッションをラリー・カールトン自身が多重録音したもの。これらの曲のオリジナルはいかにも1970年代後半から1980年あたりの時代のギラついた匂いがしてそれはそれで凄くイイんだけど、すっかりアクの抜けたこのアコースティック・バージョンもなかなか味わい深い。ツリーハウスとかでゆったり寛ぎながら聴きたい感じ。でもツリーハウスって揺れたりして怖そうだよな(どうでもいいけど)。 

Shakatak / Once Upon A Time ~ acoustic Sessions (2013)

シャカタクの昔の曲をアコースティカルにやってみました、というアルバム。これがなかなか素晴らしい。元々は打ち込みやシンセを使いまくったポップスという印象のものがつぎつぎにフュージョンとして蘇ってきたという感じ。近年のシャカタクはこのようなスタイルになってるようだけど、イエロージャケッツもスパイロジャイラも同じようにアコースティカルになっていったんだから、たぶんそういう流れがあるんだろう。あの「ナイト・バーズ」のアコースティック・バージョンも入ってます。

Larry Carlton / Discovery (MCA/1986)

80年代の音作りっていうのはドラムの音が軽いっていうか、ドラムに妙なエコーがかかってている上に全体的に派手にバシャバシャいってるようなところがあって、この手の音のトレンドは特にテレビCMやラジオのジングルなどに顕著だった気がするのだ。

80年代に中学・高校・大学時代を送ってきた僕にとっては、70年代のタイトな音から80年代の派手な音への変化は何の疑問も無いくらいにスムーズな移行だったもんで80年代の音に囲まれていても特に変だとは思わなかったんだけど、90年代末くらいになると80年代の音がどれもダサく感じられて、とても聴けなくなってしまっていた。80年代の録音技術の進歩(というかただの変化か?)は、いろんな音が出せるようになった代わりそれぞれの音の感触がどれも安っぽいものになってしまっていたのだが、当時は特に安っぽいとも感じてなかったわけで、こういうのはやっぱり後になってから初めて分かることなんだなあと思った次第。

で、そんな80年代の音も、最近は1周回ってまたアリになった。ドラムが派手なエコーでバシャバシャとしたチープな音になってるところなんか、実になつかしい感じで、本当に良く聴こえてしまう(笑)。こんな音の感触だけで80年代半ばから80年代末にかけてのまぶしい季節がよみがえってくるというか、あのひたすら軽い時代の気分に浸れるような気になってくるわけだ。

で、このラリー・カールトンのアルバムなんてモロにあの時代の音の感触全開で、気分まで軽くなってくる。カリフォルニア幻想なんて今どき流行らないけど、たまにはいいではないか。この安っぽいジャケットだって今じゃぜんぜんアリ(シャツインはナシだが・・・笑)。ラリー・カールトンは70年代の音、80年代の音、90年代、2000年代、2010年代、とそれぞれの時代の音を楽しめるので、聴き比べるのも楽しいのだが、やっぱり70年代の音と80年代の音が特にその時代を代表してるような感触の音になっていて素晴らしい。

Lou Donaldson / Sassy Soul Strut (blue note/1973)

Lou Donaldson(as, bs) Thad Jones (tp) Garnett Brown(tb) Seldon Powell(ts, fl) Buddy Lucas (harmonica) Paul Griffin(p, el-p,organ) Horace Ott(el-p) Hugh McCracken, David Spinozza, John Tropea(g) Wilbur Bascomb (b) Bernard Purdie(ds) Omar Clay, Jack Jennings (per)

クインシー・ジョーンズ作の1曲目からして何やらハーブ・アルパート的なキュートさがあって、もうこれだけで嬉しくなってくるアルバム。これなら別にルー・ドナルドソンじゃなくても成り立つアルバムだったと思うんだけど、ルー・ドナは言われるままにやっただけなんじゃなかろうか。50年代のルー・ドナからは全く想像つかないほどゆるい。でも、この曲調(アルバム全体がこの1曲目のムードに合わせてある)にはゆるいサックスがピッタリ合ってるので、これはこれでアリだろう。ハーブ・アルパートなどのイージー・リズニングが好きな僕にとっては文句なしの名作。一般的なジャズファンにとっては迷作だろうけど。

MARK ADAMS / Conversations (2013)

どっから聴いても80年代後半の音なんだけど、2013年の録音。この狙いの絶妙さはかなり凄い。80年代の雑なフュージョンってのは一時期全く聴く気にならなかったものだけど、一周まわって良く聴こえるようになった。そんなかつてのフュージョンのいいとこ取りみたいなのがこのアルバム。なんだか80年代の夜にやってたハートカクテルの3分アニメのBGMっぽいというか、J-WAVEが始まった当初に流れてた曲名不詳のよく分からないフュージョンというか、そんな妙な感じが懐かしい。生音のバランスの悪さもまたあの時代っぽくて、いい気分になってしまいます。最高すぎる。 


CASIOPEA / AIR SKIP "On The American FM Wave" (1983)

カリフォルニアのFM局(KLS radio station という架空のラジオ局)から流れてくるFM番組というコンセプトで構成されたアルバム。実際にカリフォルニアのFM局KBLX-FMのDJレズリー・ストーバルがこのアルバムのナレーションを務め、ほぼFM番組のようになっている。で、これが最高に気持ちいい。

1980年代末頃の初期J-WAVEで「AJI MAGIC CITY, SUPER Q STATION」(土曜の午前中。味の素提供)という大好きな番組があったのだが、ちょうどその雰囲気に近い。このJ-WAVEの番組は西海岸のラジオ局のような雰囲気で統一され(たまにハワイのテイストなんかも混ざったりする)、イメージとしては少し遅れてやってきたカリフォルニア幻想というか、70年代西海岸からそのままタイムスリップしてきたような、そんな感じだった。

一般的には1977年の「ホテル・カリフォルニア」という象徴的な曲をもってカリフォルニア幻想は終焉を迎えたみたいに語られるようだけど、日本では終わることもなく80年代までずっと続く。

1976年6月に創刊した雑誌POPEYEは、カリフォルニア特集だった。そこからPOPEYEは頻繁に西海岸特集を行い、徐々にNY特集なども増えていくものの(70年代後半の「I LOVE NY」キャンペーンあたりからNYブームが来たのだと思うが)、それでもこの雑誌の基本は西海岸だった。このPOPEYEに象徴されるように、やはり80年代にもまだまだ西海岸ブームは続いていたものだ。

今、手もとにある本でいくつか西海岸ものを上げてみると「カリフォルニア・もっと知りたい西海岸 別冊Checkmate」(講談社 1983年)、「南カリフォルニア物語」(絵:鈴木英人 文:片岡義男CBS・ソニー出版 1983年)、「サンフランシスコがいちばん美しいとき」(丸元淑生 文春文庫 1988年)、などがあり、どれも80年代の西海岸の雰囲気に満ちた、いかにもあの時代の本だったりする。特に「カリフォルニア・もっと知りたい西海岸 別冊Checkmate」というムック本は全編カリフォルニアの明るさに満ちた写真と文章と広告とで、今見ても相当気持ちよく、名作だ。ちなみにCheckmateというのは当時の人気ファッション雑誌(メンズ・ノンノが出るまではCheckmateが一番人気だったのではないか)。これらの本から、西海岸は日本人にとっては観光地として人気があったろうし、「ここではないどこか」つまり幻想の地である桃源郷として西海岸があったということが分かる。

というわけでこのカシオペアのアルバム。曲は3つのアルバムとライブとのコンピレーションとなっているので、企画盤ではあるけれど、こういうラジオ形式になるとカシオペアの音楽もより引き立つように思う。もちろんオリジナル・アルバムもそれぞれいいものが揃っているけど(特に80年代前半あたりまでのアルバムは素晴らしい)、それらは音楽内容をじっくり聴くというよりも、雰囲気を楽しむものだ(と個人的に捉えている)。一般的なジャズ経由のフュージョン・グループと違って、各楽器の個性的なソロで聴かせるというわけではなく、むしろアレンジや構成で聴かせるグループだ。また、カシオペアはフュージョン・グループというよりも、時代のBGMを作る安打製造機というイメージがある。このアルバムに収められてるような曲を聴くと、あの時代のテレビやラジオの音が懐かしくよみがえってきたりする。知らず知らずのうちにカシオペアの音楽は生活に入り込んでいたのだ。あまりにスキの無い演奏だったので目立つことは無かったが。

で、それらの音を素材としてカリフォルニアのFM局KBLX-FMのDJがまとめ上げると、これが不思議と西海岸の音楽へと変化するのだから、何だか凄い。ちなみにKBLX-FMはこの当時からアダルト・コンテンポラリー(スムースジャズ)専門に流すラジオ局だったようで、おそらくこのアルバムも当時のKBLX-FMの番組のスタイルそのまんま。80年代のカリフォルニアのラジオを聞くように、このアルバムを聴く。

Azar Lawrence / Summer Solstice (Prestige/1975)

Azar Lawrence(ss,ts) Ron Carter(b) Billy Hart (ds) Raul de Souza(tb) Amaury Tristao(g) Guilherme Franco(per) Gerald Hayes(fl) Albert Dailey, Dom Salvador(p)

ジャズといえばジャズだしフュージョンといえばフュージョンだし・・・。とりあえず全体的に漂う南国っぽさを重視してフュージョンってことにしておいた。というわけでこれはエイゾー・ローレンスのソロ第2弾。ファーストの「Bridge Into The New Age」(1974)もそれなりに楽園度はあるもののどこか辛気くささもあり(マッコイ的)、こちらの方が楽園度はより高い。当時マッコイ・タイナーのグループにいたわけだけど、このアルバムの雰囲気はマッコイ・グループのゴリゴリなイメージとは反対に妙に爽やかだったりする。ポイントはブラジリアンの参加。

Bob James & David Sanborn / Double Vision (warner/1986)

Bob James(key, syn) David Sanborn(as) Marcus Miller(b) Steve Gadd(ds) Paul Milton Jackson Jr.(g) Paulinho Da Costa(per) Al Jarreau(vo)

名作請負人のようなメンバーばかり揃ってるけど、このメンバーから出てくるであろうと想像される音がそのまま出てくるわけで、やっぱり彼らのそのへんの腕前は別格なんだなあと実感できる。というわけでこの1986年のアルバムだけど、時代の音というか、まさにあの時代を象徴するような、あの頃のアダルトコンテンポラリー。とはいえ、グローバー・ワシントンjrの「ワインライト」がそんなに古くなっていないというのと同じ意味で、このアルバムもそれほど古くなっていない。今でも通用する音。フュージョン~スムースジャズはこの時代からそんなに変わっていない。つまりこのジャンルというのはこの時代にすでに完成してしまったということか。フュージョンというのは、電気系の楽器の進歩に左右される面が大きい。特にボブ・ジェームスという人はデビュー作からして実験音楽(フリージャズ・レーベルのESPから)なわけで、楽器の進歩に関してはいつも敏感だったし、70年代以降のアルバムではいつも時代の音(新しい音)を取り入れていた。

Nat Adderley / Don't Look Back (SteepleChase/1976)

Nat Adderley(tp) Ken McIntyre(ss, as, b-cl, fl, oboe) John Stubblefield(ts, ss) Onaje Allan Gumbs(p, el-p) Fernando Gumbs(b) Ira Buddy Williams(ds) Victor See Yuen(per)

モダンジャズ系のトランペット奏者は60年代後半から70年代にかけてつぎつぎにクロスオーバーへと足を踏み入れていったけど、このナット・アダレイもまた同じようにクロスオーバーへ。ちなみに兄のキャノンボールが75年に亡くなってるからたぶんそのすぐあとのアルバムとなる(ちなみに前作はキャノンボールも参加していた)。というわけでこのアルバム、なんだか妙にかっこいい。最初の2曲なんてジャズ・クルセイダーズやブレッカーブラザーズのようなキメ技が光るし、3曲目はビバッパーのナット・アダレイの本領発揮という感じだし、4曲目はケン・マッキンタイアーがうっかりドルフィーやセシル・テイラーとの共演時を思い出してしまってるし。それに、何と言ってもこのアルバムは全て曲がいい。

Ahmad Jamal / Night Song (Motown/1980)

Ahmad Jamal(p, key) Oscar Brashear, Robert O’Bryant (tp) Maurice Spears, Garnett Brown(tb) Pete Christlieb(as) Ernie Fields(bs) Dean Paul Gant(key) Calvin Keys, Greg Purce (g) John Heard, Kenneth Burke(b) Chester Thompson(ds) Gil Askey(key, arr)

フュージョン時代のアーマッド・ジャマルのアルバム。珍しくモータウン・レーベルから。もうこの時代になると流麗で装飾音の多いイージーリスニング寄りの演奏をするようになっている。元々どちらかというとラウンジ的な雰囲気の演奏をする人だったけど、フュージョン期にはすっかり開き直って時にはカーメン・キャバレロ一歩手前くらい(大袈裟か)にまで華麗に弾き倒す(モダンジャズ期に比べて明らかに音数が増えている)。雰囲気を大切にするようなスタイルということもあって、フュージョンとは相性がいい。このアルバムはまるで同時期のジョー・サンプルのような雰囲気を持ち、ストリングスやバックコーラスなどのゴージャスさはかつてのラブ・アンリミテッド・オーケストラ(バリー・ホワイト)をも彷彿とさせる。モータウンということもあってかソウルのカバー中心だが、汗臭いソウル色みたいなものがほとんど無いところがとてもよくて、非常に洗練されている。とても清々しいアルバム。

CHET ATKINS, C.G.P. / URBAN OASIS, STAY TUNED (clumbia/1985)

Chet Atkins(g) George Benson, Larry Carlton, Earl Klugh, Mark Knopfler , Steve Lukather, Brent Mason, Dean Parks, Paul Yandell(g) Jeff Porcaro(ds) Paulinho Da Costa(per) Randy Goodrum(key) David Hungate(b) etc.

カントリー・ギターの大御所チェット・アトキンスがジョージ・ベンソン、アール・クルー、ラリー・カールトンなどと共演した珍しいフュージョン作品。曲ごとにチェット・アトキンスがひとりのギタリストと共演しているのだが、やはり1曲目のベンソンとのデュオが最高。カントリーのチェット・アトキンスとコテコテ系ソウルジャズ出身のベンソン。どう考えても水と油なのだが、何故かこれがいい感じだったりするのが面白い。とはいえチェット・アトキンスの影響を受けたアール・クルーとベンソンのコンビが相性がいいことを考えれば(デュオアルバムも出してるし、そもそもベンソンのCTI時代のアルバムに若き日のクルーが参加している)、チェット・アトキンスとベンソンの相性がいいのも分かるというものか。

George Benson / Weekend in L.A. (Warner /1978)

George Benson(g, vo) Jorge Dalto(p) Ronnie Foster(syn) Phil Upchurch(g) Ralph MacDonald(per) Stanley Banks(b) Harvey Mason, Sr.(ds) Nick DeCaro(syn)

アメリカのポップチャートで1位を獲得してクロスオーバー~フュージョン界だけでなくポップス界でもスターとなったのが1976年の「Breezin'」。で、このアルバムはその翌年1977年のライブ音源。録音は1977年7月~10月。これまたポップチャートで大ヒットした。70年代CTI時代のベンソンはどこか暗さがあったけど、「Breezin'」以降のWarner時代は覚醒したというか開き直ったというか、確実に何かが違う。このアルバムが象徴的だけど、カラリとして明るく、そしてダンサンブル。超絶技法もさりげなく、たまに歌まで歌っちゃったりなんかして、いつもどこか余裕がある。タイトルどおりカリフォルニア感満載のこのアルバム、ライブというだけあって「Breezin'」のようなゴージャスさはないけど、ジャズ的面白さもあったりして、「Breezin'」よりいいんじゃないのかな。 

Special EFX / Peace of the World (GRP/1991)

90年代初頭のGRPレーベルということで、初期J-WAVEの音そのまんまという感触もあるけど、曲によっては当時のジェット・ストリームに流れてもおかしくないような(5曲目とか特に)感じもあります。とにかく心地良さを追求したようなアーバン・コンテンポラリー。キエリ・ミヌッチの匿名性のあるギター(というか特徴の分かりづらいギター)もとてもいいのだが、ひとつひとつの楽器よりも音楽トータルとして質が高く、現在でもスムースな音として聴ける。

Freddie Hubbard / Splash (fantasy/1981)
Freddie Hubbard(tp, flugelhorn) David T. Walker(g) Paul Jackson Jr.(g) Louis Small(key) Clarence McDonald(key) Chester Thompson(key) Ron Brown(b) David Sheilds(b) Jim Keltner(ds) James Gadson(ds) etc.

冒頭の「スプラッシュ」からしてこの時代のCMソングみたいで、何だか嬉しくなってくる。ボブ・ジェームスの「スパークリング・イン・N.Y.」が好きな人になら気に入ってもらえるだろう。2~3曲目だって当時のドラマの挿入BGMみたいで、これまた嬉しくなってくる。フレディー・ハバードのフュージョンはCTI作品以外あまり話題にならないようだけど、案外いいものも揃ってます。本作は時代の中から自然にわき上がってきたような音としか言い様の無い、まさにあの時代の音。ジャケットのデザインもいかにもという感じ。

Gerry Mulligan / Little Big Horn (GRP/1983)

Gerry Mulligan(bs) Dave Grusin(Rhodes) Richard Tee(p) Michael Brecker(ts) Buddy Williams(ds) Butch Miles(ds) Anthony Jackson(b) Jay Leonhart(b) etc.

デイブ・グルーシン色の強いマリガンのフュージョン・アルバム。メロウな2曲目が素晴らしすぎる。グルーシン参加作品といえば88年のオール・アコースティックの「Dragonfly」も良かったけど(Dragonflyはジェリー・マリガンのアルバムの中で一番好きかも)、こちらはフェンダーローズ入りのフュージョン。この時期のGRPは70年代のCTIのようにいろんなアーチストを飲み込んでいった。

JACO / Jaco Pastorius, Pat Metheny, Paul Bley, Bruce Ditmas (Improvising Artists/1974)

Paul Bley (el-p) Jaco Pastorius(b) Pat Metheny(g) Bruce Ditmas(ds)

どこかウェザーリポートっぽいのが面白い。この時代特有の音楽だけど、それにしてもエレピを弾くポール・ブレイの創造力は凄い。一般的にはジャコとメセニーが興味の対象だろうけど、それ以前にまずはポール・ブレイだ。70年前後のポール・ブレイは派手にエレピを弾いていたけど(シンセサイザー・ショウとか)、ここではさらにスケールの大きなブレイが聴ける。音質が悪いのが逆にいい方に転んでエレピの音が安定している感じに聴こえる。また、ジャコはやっぱり最初からあのジャコで、期待どおり。これまた物凄いソロを連発する。メセニーに関しては、後のあのメセニーではなく、ワウを使ったりしてディープな演奏に終始する。この1年後に例の爽やかな「ブライト・サイズ・ライフ」が出るわけだが、その振り幅がすごい。

Joe Sample / Spellbound (Warner/1989)

翌年の名作「Ashes To Ashes」へと繋がるような内容のアルバム。ジョー・サンプル独特のソウル臭は薄く、ラウンジ感の方が強い。僕が最も好きなパターン。ジョー・サンプルはこのへんが一番好きだ。2曲目「The Road Less Traveled」などはどこかボブ・ジェームスのFourplay的なのが興味深い(ちなみにFourplayは90年結成)。歌ものが3曲あって、アル・ジャロウ、マイケル・フランクス、Take6がそれぞれボーカルを取っているのだが、どれも極上。クロスオーバーとしてごちゃごちゃしていたフュージョン・ミュージックがスムースジャズ的なサウンドへと変化し始めた頃の音。 

Patrick Yandall / 10 South Riverside (Zangi Records/2018)

スムースジャズというのは1990年代初頭あたりから何も変わってないわけで、この2018年のアルバムもまた年代を伏せられても一体いつのアルバムなのかよく分からないくらいあの音になってます。もはやイージーリスニングの現代版としての地位を確立したスムースジャズですが、スムースとされる音(=心地よく感じる音)というのが1990年から変わっていないというのもある意味凄い。というわけで、この2018年度作品。実はこのパトリック・ヤンドールというギタリストは初めて聴いたんだけど、ジョージ・ベンソンからコテコテ要素を取り除いてチャック・ローブを混ぜたような音とでも言おうか、モダンジャズとは少し違うフィールドから来たような感触もあるけど、堂々とした王道スムースジャズ・ギターで清々しい。このベンソン系の音がフォープレイに入ったら結構面白いのではないかと思った。で、このアルバムはフォープレイ的雰囲気もありつつ、ベンソン風でもありつつ、とにかく心地よく出来てるわけで、スムースジャズはやはりこういうふうにスムースなのがいいなあ、なんてしょうもないことを思った次第です。 

Spyro Gyra / Point Of View (1989 GRP)

これは本当に気持ちのいい音楽。初期から続くポップな曲調とジャズ的な面白さがちょうどいい塩梅にバランスを取っていて、音の感触的にもあの80年代のチープさを脱してスムース感が出てきた時期。イエロージャケッツでいえば「フォー・コーナーズ」や「ポリティクス」あたりに相当するだろうか。とにかく僕はこの手の音が好きなのだ。一般的にスパイロジャイラってば「モーニング・ダンス」や「キャッチング・ザ・サン」というヒット作のせいでトロピカル過剰な印象があると思うけど、本作はそのトロピカル要素がほとんど消えて、とてもいい感じになってます。

NORMAN BROWN / Sending My Love (2010 peak records)

たまにはスムースジャズをということで選んでみたのがこのノーマン・ブラウンの2010年のアルバム。これはもう最初の2曲の爽やかさで決まり。スムースジャズというのはある意味で機能主義的な音楽であり、爽やかで心地よいことが求められる。その点このアルバムは優秀。よくあるテクニックのひけらかし的な胡散臭さは皆無。朝でも昼でも夜でも春夏秋冬いつでも使える(スムースジャズは使うものだ)。スタジオミュージシャンばりの端正な音で、雰囲気重視。ノーマン・ブラウンはベンソン・フォロワーではあるものの、ベンソンから脂っこさを抜いたような感じでしょうか。ベンソンのギターをノンカロリーにしたのがノーマン・ブラウンのギター。

Dizzy Gillespie / Closer to the Source (1985/Atlantic)

Dizzy Gillespie(tp)  Branford Marsalis(ts) Barry Eastmond, Kenny Kirkland(key) Hiram Bullock(g) Tom Barney(b) Marcus Miller(b, syn) Stevie Wonder(harmonica, syn) Buddy Williams, Tony Cintron Jr.(ds) Angel Rogers(vo)
ディジー・ガレスピーの珍しいフュージョン作品(ちなみにこれ以前にもフュージョン作品はある)。これがとにかく素晴らしい。ディジーなのにハイトーンでバリバリ吹くこともなく、まるでチャック・マンジョーネかアート・ファーマーのごとくゆったりと吹いてます。当時70近い年齢だったので体力的な問題なのかどうなのか分からないけど、このアルバム以前のPablo作品(1974年から1981年まで)の数々をみると、むしろこっちのゆったり型の方が魅力があるようにも思える。おおまかに言ってフュージョンにはプレイを聴かせるものとムード重視のものとの2種類あるけど、このアルバムはムード重視といった感じが強い。とはいえマーカス・ミラーやハイラム・ブロックらのプレイは聴きものでもあるが。トランペットの出だしがどこか水曜ロードショーのような1曲目が特に素晴らしい。

Dizzy Gillespie / Free Ride (Pablo/1977)

Dizzy Gillespie(tp) Lalo Schifrin(key, arr, cond) Ray Parker Jr.(g)  Lee Ritenour(g) Wah Wah Watson(g) Wilton Felder(b) Ed Greene(ds) Paulinho Da Costa(per)Oscar Brashear(tp) Jack H. Laubach(tp) Lew McCreary(tb) Jerome Richardson(fl) Ernie Watts(sax) James Horn(sax, fl) Sonny Burke(p, el-p) Charles E. Spangler(syn) 
ディジー・ガレスピーとラロ・シフリンのコラボレーション作品。この二人のコラボレーションは1962年の「The New Continent」以来。冒頭の曲からして映画音楽っぽさ満載というか、いつものディジーでは考えられないようなタイプの音。たぶんモダンジャズ・ファンからは不評だろうが、イージーな音が好きな人からは評判いいのではなかろうか。内容は完全にラロ・シフリンのものといっていいほどラロ・シフリンがコントロールしており、ディジーはそれほど活躍していない感じだけど、というかあえてディジーでなくてもよかったんじゃないか感もあるけど、このトランペットがあのディジーであるということが重要なのだ。ディジーがいなけりゃただのカッコイイ映画音楽風フュージョンで終わってたが、ディジーがいることによってひとつひとつの音を丁寧に聴いてみようかなっていう気が起こる。そしてよく聴くとギターとかめちゃくちゃカッコイイのだ。

Randy Brecker & Eric Marienthal / Double Dealin' (Shanachie/2020)

Randy Brecker(tp, flugelhorn) Eric Marienthal(saxophone) George Whitty(key) John Patitucci(b) Dave Weckl(ds)
達人軍団が直球ストレートで勝負するとやっぱり凄いものが出来上がる。これくらいの達人ともなれば、もはや仕掛けだの何だのは一切不要。フュージョンというのは大まかに演奏型と雰囲気型に分けることが出来るが、このアルバムはそのどちらも余裕でクリア。演奏重視のリスナーも雰囲気重視のリスナーもどちらも満足出来るのでは。ランディ・ブレッカーのキレ味が相変わらず鋭いが、それを支えるリズムセクションも軽快で爽快そのもの。チック・コリア・エレクトリック・バンドからチック臭を抜いたような感じもするけど(エリック・マリエンサル、ジョン・パティトゥッチ、デイヴ・ウェックルの3人がこのバンドのメンバーだし)、なにげにジョージ・ホィッティのクセのないキーボードがこのアルバムのカラーを決めている。

Emily Remler / This Is Me(Justice Records/1990)

Emily Remler(g) David Benoit (key) Romero Lubambo (g) Jimmy Johnson, Lincoln Goines (b) Luis Conte, Edson Aparecido da Silva "Café", Jeffrey Weber (per) Jay Ashby (per, tb) Jeff Porcaro, Ricky Sebastian, Duduka Da Fonseca (ds) Maucha Adnet (vo)
エミリー・レムラーがカールEジェファーソンのコンコードを離れて初めて出したアルバム(通算7枚目の作品)。そして初めてのフュージョン作品。モダンジャズ系のアーチストがあまりやらないような寛いだポップフュージョンで、楽器同士の緊張感のある丁々発止みたいなのはほぼ無い。デヴィッド・ベノワ感が結構多めか(エミリー・レムラーは89年のベノワのアルバムにも参加している)。で、これがもう最高すぎるほど最高なだけに、本作がエミリー・レムラーの遺作となってしまったのはなんとも残念だが、ラストを飾るにはふさわしい傑作。このアルバムがあるのと無いのとではエミリー・レムラーの印象は随分違ってただろう。

Russ Freeman / Nocturnal Playground (Brainchild/1986)

Russ Freeman(g, etc) Brandon Fields(as) David Vasquez(key) Mike Watts(p) David Renick(ds) Steve Reid (per)
リッピントンズのギタリスト、ラス・フリーマンがリッピントンズ結成以前に出したファースト・アルバム。ちなみにラス・フリーマンといえば普通はウエストコーストのあの有名ジャズピアニストのことだが、もちろんこちらは同姓同名の別人。で、このアルバム、あの時代のプレ・スムースジャズ的な雰囲気が満載。後年のスムースジャズのように音がこなれてなくて、多少ガチャガチャしたようなところがいかにもこの時代な感じがして逆に魅力。リッピントンズになるとほぼ洋楽インスト的なポップ・フュージョンだけど、こちらはリッピントンズよりポップ要素は控え目。ときにはアール・クルー的な心地よい爽やかさもあったりする。

Joe Pass / A Sign of the Times (World Pacific/1965)

Joe Pass(g) Chet Baker(flugel horn) Frank Capp(ds) Bob Florence(arr, cond) etc.
ジョー・パスとチェット・ベイカーの共演作。バックにオーケストラとコーラスがついたイージーリスニング・アルバム。年代的に初期フュージョンともいえる。で、これはAll Musicサイトで歴史的珍品などと小馬鹿にされてしまったアルバムなわけだが、この70年代の石立鉄男ドラマのBGMのような感触はかなり好き。中でも3曲目のビートルズの「Nowhere Man」なんかほとんど「雑居時代」(1973~74年)のテーマ曲「そよ風のように」(作曲はルパンでお馴染みの大野雄二、歌は山口いづみ)ではないか。また、この曲のほのぼのとしたチェット・ベイカーの音なんて「おひかえあそばせ」(1971年)のテーマ曲(こちらも作曲は大野雄二)を思い起こさせるし、この控えめな女性コーラスのスキャットは「気になる嫁さん」(1971〜72年)のテーマ曲(これも大野雄二)を思い出す。要するに僕は70年代石立ドラマが好きなのでどこかその雰囲気のあるこの作品に惹かれただけのことなのだが。ジョー・パスについてもチェット・ベイカーについても特別どうこう言うことは無いが、ジャズということに拘らなければ音楽としてはとても面白いものだと思う。あの時代のウェストコーストはジャズミュージシャンによるこの手のイージーリスニングが結構ある。


Ramsey Lewis / Urban Renewal (Columbia/1989)

ラムゼイ・ルイスの黒歴史という感じもしないでもないけど、このニュー・ジャック・スウィングの懐かしさだけで許せてしまう。ジャズやフュージョンのシーンよりもポピュラーミュージック・シーンを対象としたような、完全に時代の音楽で、あの時代でしか通用しない感がすごい。80年代末期というカラフルでパワーがあった時代の雰囲気を思い出させてくれる。

ラムゼイ・ルイスという人は50年代からモダンジャズのアルバムを出してるけど(レーベルはほぼArgoとCadet)、元々がモダンジャズのメインストリームから少し外れたようなシカゴ・シーンに居た人で、一般的にはEW&Fのモーリス・ホワイトの師匠ってことで知られてるのではなかろうか(モーリス・ホワイトはラムゼイ・ルイス・トリオの元ドラマー)。60年代には「ジ・イン・クラウド」を、70年代には「太陽の女神」をポピュラー・チャートでヒットさせている。が、個人的には90年代のGRP時代が最高だと思ってて「Ivory Pyramid 」や「Sky Islands」などは最高のスムースジャズだ。2000年代に入ってもNarada Jazzからアーバン・ナイツの諸作などのいいアルバムを出していた。で、そんなラムゼイ・ルイスの迷走期が80年代だった。

このアルバムはその迷走していた80年代末の作品。まずは冒頭から当時流行ってたニュー・ジャック・スウィングとCAMEOっぽいファンクなどを織り交ぜてイマドキを出しまくる現役感に、当時のラムゼイ・ルイスの迷走が見てとれる。後半になってようやく本来のラウンジテイスト溢れるピアノも出てくるけどバックはこの時代特有の騒々しさでかなりガチャガチャしている。リアルタイムでこんなの聴いてもフュージョン・ファンはソッポ向くだろうしモダンジャズ・ファンは見て見ぬふりするだけだろう。がしかし、あれから何十年か経つと懐かしフィルターによってアリになったりするのだ。もはや鑑賞の対象は作品の質ではなく、あの時代の空気の再現度だ。当時このアルバムを聴いて無かったのにもかかわらず懐かしく思えるところがラムゼイ・ルイスのすごいところだ。

Chick Corea Band Featuring Sadao Watanabe / Live Under The Sky '80 (Equinox)

Chick Corea (key) Sadao Watanabe(as) Bunny Brunel (el-b) Tom Brechtlein(ds) Don Alias(per)
1980年田園コロシアムでのライブ。チック・コリア・バンドにナベサダが加わったセッション。エレピにエレベだけど内容的にはモダンジャズ寄り。1曲目のナベサダ作の曲Nice Shotが特に聴きもの。かなり凄い。2曲目のSomeday My Prince Will Comeもナベサダはすごい勢いで吹き切る。まるでナベサダが1970年にチック・コリア、ジャック・ディジョネット、ミロスラフ・ヴィトウスらと共演した壮絶なアルバム「Round Trip」のような勢い。3曲目はリターン・トゥ・フォーエバーのセカンドアルバムに入っている有名曲の500 Miles Highだけど、これまたエキサイティングな演奏。こんな500 Miles Highはなかなか無いだろう。バリー・ブルネルの豪快なベースもとてもいい。

Ronnie Laws / True Spirit (Par Records/1989)

Ronnie Laws(ts, ss, fl,syn) Nathan East(b) Joe Sample(p) Ndugu Chancler(ds) Fred White(ds) Roland Bautista(g) etc.
デビュー当時はブルーノートからチャカチャカしたアルバムを出してたロニー・ロウズだけど、この時代になるとメロウな風情も出て来る。サックスとフルートの二刀流ではあるものの、メインはサックス。このテキサス風味のホンカーライクな伸びのあるテナーがとてもイイ。プロデュースはクルセイダーズのウェイン・ヘンダーソンで、クルセイダーズのジョー・サンプルも2曲参加してます。その後のクルセイダーズの分裂騒動(90年あたり)のことを思うとこの共演は興味深いかもしれない。個人的に80年代末〜90年代初頭あたりのフュージョンがとても好きなのだが(たぶんJ-WAVEのせいだと思う)、このアルバムもまたあの時代の雰囲気がよく出ていると思う。


(文:信田照幸)


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