<SAX/その1>

SONNY ROLLINS /Newk's Time (1957/bluenote)
ソニー・ロリンズ(ts)ウィントン・ケリー(p)ダグ・ワトキンス(b)フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds
) 

bluenoteのロリンズの中でも特にお気に入りなのがこのアルバム。フィリー・ジョーのドラムの突進力と、まだメロディアスだったロリンズがバリバリ吹くサックスとがとても心地よい。ちなみにこの57年ってばあの「ヴィレッジバンガードの夜」が録音された年です。

SONNY ROLLINS / East Broadway Run Down (1966/MCA)

ソニー・ロリンズ(ts)エルヴィン・ジョーンズ(ds)ジミー・ギャリソン(b)フレディ・ハバード(tp)
音の感触がなんとも素晴らしい。荒涼とした雰囲気。音と音の隙間がなんだか凄くいい。とにかくA面が大好き。ジミー・ギャリソンのベースが最高。50年代とは違ったパターンでソロを組み立てるロリンズですが、ロリンズはフリー系をやっても決してリズムとメロディを捨てることはありませんでした。ちなみにB面はハバード なしのピアノレス・トリオ。

SONNY ROLLINS / The Cutting Edge (milestone/1974)


ソニー・ロリンズ(ts)スタンリー・カウエル(p)マスオヨシアキ(g)ボブ・クランショウ(b)デヴィッド・リー(ds)ムトゥーメ(per)ルーファス・ハーレイ(bagpipes)
74年のモントルー・フェスティバルでのライブ。A-1が圧倒的。もうこれだけでオッケーです。怒濤のアフロリズムに乗ってロリンズが怒涛のブロウ。あまり人気の無い70年代ロリンズですが、このアフロ志向は要注目。A-2では途中から無伴奏ソロになり、そこからがまたまた凄い。

SONNY ROLLINS / This Is What I Do (Milestone/2000)

ソニー・ロリンズ(ts)クリフトン・アンダーソン(tb)ステファン・スコット(p)ボブ・クランショウ(b)ジャック・ディジョネット(ds)ペリー・ウィルソン(ds)
これが録音された00年、生ロリンズのライブを中野サンプラザに見に行った。このとき70歳。これがまあ物凄かった。ここに入ってる1曲目「サルヴァドール」もやったんだけど、ロリンズのソロの長さとサックスの鳴りに驚いた。さすがにこういう人は年とっても凄いんだなあと感心。このアルバムでのロリンズはあの5 0年代のようなハリもなければ素早いバップフレーズの連発もないのだけれど、あの音の太さと豊かなメロディは変わらず。1曲目を除けば比較的ゆったりとしたナンバーばかりのアルバムなんだけど、僕としてはこの1曲目だけで十分。

SONNY ROLLINS Vol.2 (bluenote/1957.4.14)

ソニー・ロリンズ(ts)JJジョンソン(tb)ホレス・シルヴァー(p)セロニアス・モンク(p)ポール・チェンバース(b)アート・ブレイキー(ds)
全体のトーンを決めているのはブレイキーの繊細なドラム。この時代の典型的なハードバップとはどうも感触の違いを感じるのはモンク(2曲)の音が原因か。

SONNY ROLLINS / A Night At Village Vanguard (1957/Blue Note)

ソニー・ロリンズ(ts)エルヴィン・ジョーンズ(ds)ドナルド・ベイリー(b)他
テープレコーダーで録音されたことが結果的に良かったのではとされる音源ですが、この妙な臨場感はやっぱり凄い。ロリンズの最上の演奏。音楽を聴くのにオーディオの良さなんてたいして関係無いんじゃないかなんてことを考えてしまいます。

SONNY ROLLINS / Tenor Madness (Prestige/1956)
ソニー・ロリンズ(ts)ジョン・コルトレーン(ts)レッド・ガーランド(p)フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)ポール・チェンバース(b)1956年5月24日録音

A-1のみコルトレーンが参加。ロリンズとトレーンのスタイルは実に対照的で、鼻歌的なロリンズ対して、根性の理詰め型コルトレーン、といった感じ。ちなみに56年といえば、サキコロの年。いや、そんなことよりこのバックメンバー。当時のマイルスグループのバックです。そういえばマイルスはコルトレーンの前にロリンズに声をかけて自分のグループに誘ったのでした(結局ロリンズは断る)。

SONNY ROLLINS / Worktime (1955/prestige)
ソニー・ロリンズ(ts)レイ・ブライアント(p)ジョージ・モロウ(ds)マックス・ローチ(ds)

もうね、冒頭の「There's No ~」とラストの「It's Alright With Me」が凄すぎる!この太いテナーの音でまるでチャーリー・パーカーのごとく素早くメロディアスなフレーズの連発。パーカーの「KIM」(アルバム「Now's The Time」に収録)にも相当するかのごとくもの凄い演奏。そんで、さらにビックリなのがここでのマックス・ローチ。55年の録音であることからもわかるように、ここでのリズムセクションのモロウとローチはあのブラウン=ローチ・クインテットでの流れでロリンズのアルバムに参加というわけで、当然あのクインテットのようなバックなのですが、ここではさらにローチが爆発。この煽り方は半端じゃない。レイ・ブライアントまでがつられて地に足のついて無いようなせわしないソロを展開しちゃってるます(そこがまたイイんですが)。

SONNY ROLLINS / Way Out West plus (contemporary/1957)
ソニー・ロリンズ(ts)レイ・ブラウン(b)シェリー・マン(ds)

ジャズ評論家の故・油井正一センセイは「ロリンズの偉大さを知るためにはサキコロとウエイ・アウト・ウエストの2枚があれば、ほかはあってもなくてもいい」とまで宣っておりますが、どうなんでしょ。でもやはりピアノレスでのロリンズはめちゃめちゃカッコイイ!!西海岸のコンテンポラリー・レーベルからのアルバムのため、他のイーストコーストでの録音にくらべてややくつろいでるかなって感じではじまりますが、アルバムを聴き進んでいくにつれロリンズの即興の究極って感じのエキサイティングな瞬間がそこここに現れてきて嬉しくなってしまいます。ドラムがシェリー・マンのため、マックス・ローチ、フィリー・ジョー・ジョーンズ、アート・ブレイキーらのときのようにバックにのせられてイッキにハイテンション…って感じではなくて、ロリンズが勝手にどんどん盛り上がっていくっていう感じです。

SONNY ROLLINS / ALFIE (1966/MCA/Impulse)

60年代のロリンズのイメージにどうも統一感が無いんだけど、この手の作品があるからなんでしょうか。本作はオリバー・ネルソンがバックのホーンアレンジを担当したアルバムで、有名なテーマ曲だけでなく他の曲もかなりよい。イージーになってもよさそうなのに、ちっともイージーでは無い作品。

SONNY ROLLINS VOL. 1 (1956/Blue Note )

余裕のロリンズです。ドナルド・バードとの2管編成。ドナルド・バードの鮮やかなトランペットも凄くカッコイイです。ミディアム~スローでのロリンズの豪快さは本当に王者の風格です。

SONNY ROLLINS / The Solo Alubm(1985/Milestone)

サックスの無伴奏ソロで、ライブ録音。60年代に復活してからどんどんスタイルを変え続けていったロリンズですが基本的には陽性なのです。このソロを聴けばそこんところがわかるってもんです。鼻歌のようにメロディを奏でてリズムにノリたくなったら勝手にノル。自然に出てくるメロディと自然に出てくるリズム。

Dizzy Gillespie, Sonny Stitt, Sonny Rollins / Sonny Side Up (1957/verve)

ソニー・ロリンズ(ts)ディジー・ガレスピー(tp)ソニー・スティット(ts)レイ・ブライアント(p)トミー・ブライアント(b)チャーリー・パーシップ(ds)
ロリンズvsスティットのバトル。何度聴いても物凄い。表題曲が冒頭にあることとディジーの陽気さとのおかげで明るいアルバムに仕上がってますが、この時代のジャズ界最高峰のサックス奏者だった2人、ロリンズとスティットの壮絶バトルはかなり殺気立っております。14分以上にもわたる2曲目、まさに"勝負"って感じのアップテンポ曲の4曲目が白眉。ハードバップというよりビバップ的。

SONNY ROLLINS /The Bridge (1962/RCA)

ソニー・ロリンズ(ts)ジム・ホール(g)ボブ・クランショウ(b)ベン・ライリー(ds)
ロリンズの復帰アルバム。このアルバムから徐々にスタイルが変化。50年代の諸作のように豪快にアドリブラインを展開させることはなく、ややこじんまりと展開させています。ジム・ホールの起用にロリンズの音楽的変化が象徴されているかのよう。B-1(The

Bridge)が好き。

SONNY ROLLINS /In Stockholm 1959 complete(DIW)
ソニー・ロリンズ(ts)ヘンリー・グライムス(b)ピート・ラ・ロッカ(ds)ジョー・ハリス(ds/9-11のみ)

ロリンズのピアノレス・トリオ作品。「ヴィレッジ・ヴァンガード」でも冴え渡っていたピート・ラ・ロッカがドラムなのが嬉しい。一曲目の「セント・トーマス」のライブ・ヴァージョンを聴いて、ああ「サキソフォン・コロッサス」のドラムがマックス・ローチじゃなかったらきっとあのアルバムは今でも頻繁に聴いてただろうなあ…なんて思ってしまった。ちなみにこのスタイルでのロリンズはこのアルバムがラストということになります。ラストを飾るにふさわしく、それまでのロリンズの総決算のような充実した内容。

SONNY ROLLINS /SONNY ROLLINS In Japan (victor/1973)

ソニー・ロリンズ(ts)ヨシアキ・マスオ(g)ボブ・クランショウ(el-b)デヴィッド・リー(ds)エムトゥーメイ(per)
74年の「カッティング・エッジ」の前哨戦。日本でのライブです。2度目の雲隠れから復活したロリンズは以前にも増して音が太くなり、随分おおらかなスタイルになりました。このアルバムは、そのおおらかさで統一されてます。19分に及ぶA-1の何とも言えない生命感…。熱いです。

SONNY ROLLINS /SONNY ROLLINS And The Contemporary Leaders (contemporary/1958)

ソニー・ロリンズ(ts)ハンプトン・ホーズ(p)バーニー・ケッセル(g)ルロイ・ヴィネガー(b)シェリー・マン(ds)ヴィクター・フェルドマン(4のみ、vib)
特別好きというアルバムでもないが、ケッセル入りということでつい手がのびてしまうアルバム。ケッセルのカラリとしたプレイとロリンズの豪快なスタイルとのちょっとしたミスマッチ感が面白い。また、"ミスター・ウォーキング・ベース"ルロイ・ヴィネガーのソロパート(もちろん全部ウォーキング)などもふんだんに盛り込まれたりして、聴き所は多い。N.Y.の雄

v.s.西海岸オールスターズ、といった構図。


(文:信田照幸)



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